疾患・特集

薬はなぜ効くのか

薬は受容体を介して効果が現れる

薬が生体に及ぼす作用を、薬理作用といいます。その仕組みには幾つかのパターンがあります。薬の物理・化学的性質によって作用するもの(制酸剤など)、化学反応を助ける酵素のはたらきを妨げて作用するもの(アスピリンなど)、物質を細胞に取り込むイオンチャンネルというものに作用して効果を現わすもの(カルシウム拮抗薬など)などです。
薬の効き方の代表的なものは、細胞膜の表面に存在するたんぱく質である受容体(レセプター)を介して効果が現れる場合です。受容体には通常、体内で産生される神経伝達物質やホルモンなどの生体内活性物質が結合し、細胞が反応して体の活動が維持されています。

作用薬ときっ抗薬

この受容体を刺激して、生体内活性物質と同様の反応を起こす薬を、作用薬(アゴニスト)といいます。逆に、受容体に結合することで、生体内活性物質により本来起こるはずのはたらきを遮断する薬をきっ抗薬(アンタゴニスト)といいます。