疾患・特集

良い病院とは?

病院の機能別分類

わが国では現在、病院の機能別分類が制度として進行しています。平成4年からは特定機能病院、一般病院、療養型病床群の区分が設けられ、さらに一般病院の機能別分類が検討されています。
一方で、厚生省は医療提供の「量から質への転換」が必要だ、と指摘しています。ここで注意しなければならないのは、高度な機能を持つ病院と質の高い病院とは同じではない、ということです。

「認定」の表示が信頼の目印に

ホテルや病院のようにサービス提供を業務とする業態に関して、「質」の良否をふだん利用する機会が少ない一般市民が自分の目で見極めることは非常に困難ですから、利用者に代わってそれを見分け、適正に表示して知らせる仕組みが必要です。
フランスのホテルの星印のように、個々の病院で行われる医療の質を評価して利用者に知らせるための組織が、アメリカでは1951年に医師会や病院協会などの間でつくられ、現在、全国の病院の85%がこれに参加しています。JCAHO(病院認定合同機構) の専門家による評価の結果は、「認定」「条件付き認定」「非認定」として通知され、「認定」の表示は信頼できる病院の目印ともなります。

国内でも評価機構がやっと始動

医療の質を決める要素には、施設設備や職員などの構造的側面、医療スタッフの熟練度で左右される提供過程、最終的な結果、の3つがあり、国や地域によってこれらの要素の中身が大きくことなるので、わが国では、わが国独自の評価基準が必要です。
1987年(昭和62年)、厚生省と日本医師会の委員会が「病院機能評価マニュアル」を作成し、95年7月に財団法人日本医療機能評価機構が設立されて、中立的な立場で、病院の医療の質の評価が行われる下地がやっとできたところです。今後の活動が期待されます。