疾患・特集

良い病院の選び方

インパクトが強い表層的サービス

「良い病院」の判断基準は、医療の専門家と患者の間で必ずしも一致しません。患者からみれば、評価のカギを握るのは満足度の高さです。

患者の満足度を高める要素には、「診断や治療の技術がしっかりしている」といった医療本来の本質的サービスの面と、親切とか清潔感といった表層的サービス、それに情報提供や助言・相談などの境界型サービスがあります。
表層的サービスは、病院本来の機能に不可欠な要素ではありませんが、患者にとってはインパクトが強く、むしろ本質的サービスより満足度を高める効果が大きいことが、マーケティング理論のなかで指摘されています。
病院が本格的な競争と選択の時代を迎えて、デパートなどと同様に表層的サービスを重視する傾向が見えますから、その蔭に隠れた本質的サービスを見落とさないことが大事です。

公開されない本質的サービスの評価

本質的サービスの面を客観的に評価するために、厚生労働省と日本医師会合同の研究会が「病院機能評価表」を作成しています。
これは、評価項目として、基本的事項、地域ニーズの反映、患者の満足と安心、診療の学術性、病院の管理運営の5つの面にわたり合計 100項目を含み、多角的、専門的な評価を行うものです。
第三者機関によるこのような評価の結果が公開されると、良い病院を見分ける有力な手掛かりになりますが、医師会などは結果の公開に難色を示しています。このため、患者側の判断材料としては、その病院の入院日数とか過去の症例数など、断片的な情報から見当をつけなければならないのが実情です。