疾患・特集

胃液は塩酸を含んだ消化液

有害なバクテリアを殺すはたらき

胃液は塩酸を含んだ消化液です。胃壁にある消化せん(胃せん)から分泌されます。1日の分泌量は1500~2500mlです。
この胃液に含まれる塩酸によって、まず食物の中の有害なバクテリアが殺されます。
同時に、塩酸は胃液に含まれるペプシノーゲンという酵素を活性化して、消化酵素ペプシンに変えます。ペプシンは胃に入ったたんぱく質を分解するはたらきをします。

胃かいようや十二指腸かいようの原因

この塩酸はpH1.0~2.5という強い酸性を示します。ところが、同じたんぱく質でできている胃の壁が分解して溶けてしまわないのはなぜでしょう。それは、胃が自分自身を守るために粘液の膜をつくり、内表面を覆っているからです。
この粘膜がなんらかの原因で正常に作られなかったり、塩酸の分泌が多過ぎたりすることがあります。その結果、胃壁や胃につながる十二指腸が消化され、穴が開いてしまいます。これが胃かいようや十二指腸かいようです。