疾患・特集

数十種類にも及ぶ肝臓の役割

復元力のある「沈黙の臓器」

肝臓は横隔膜の真下やや右寄りにある、暗赤色をした体内最大の臓器です。その重さは約1200g(体重の1/45~1/50)。20~30歳代で最も重くなり、その後は徐々に軽くなります。
予備能力が大きく、少々の障害を受けても症状が現れないため「沈黙の臓器」と呼ばれます。80%程度が障害されて初めて機能不全になるほどの強さです。しかも、その7割近くを切り取ることができるほど復元力の高い臓器です。

肝臓は「生体の化学工場」

肝臓はいわば血管の固まりで、2ヵ所から血液の供給を受けています。その5分の1は心臓から送られる酸素を含んだ血液、5分の4は栄養素を含んだ小腸からのものです。
主に消化・吸収作業のまとめ役として栄養素の処理を行います。それ以外にも、生命活動を維持する上で重要な役割を持っています。

  1. 胆汁の生成
  2. 栄養素の貯蔵と加工
  3. 解毒作用
  4. 生体防御作用
  5. 血液凝固作用物質の産生
  6. 造血・血液量の調節

など、その役目は数十種類にも及びます。
まさに「生体の化学工場」です。