疾患・特集

ヒダ状になっている小腸の内壁

内壁は栄養素の吸収効率を高める構造

小腸の内側の壁は吸収作業を行いやすい仕組みになっています。
まず、内側の粘膜の表面には、高さmmほどの輪状ヒダがあります。これは小腸の走行と直角に走っています。このヒダのおかげで、腸内容物がいっぱいになっても消失することはありません。
ヒダの表面には、じゅう毛という長さ1mm前後の小さな指状の突起が無数に生えています(1mm2あたり約40個)。さらに、粘膜の表面の細胞の一つひとつにも1個当たり平均600~1000本の微じゅう毛が密生しているのです。

複雑な伸縮運動で栄養を吸い込むじゅう毛

こうした何段階ものヒダの構造により粘膜の表面積は大幅に増えます。輪状ヒダで約3倍に、じゅう毛で約30倍に、微じゅう毛で約600倍です。その結果、小腸内腔の表面積は約200mにもなっています。これが吸収効率を高めるのにとても都合がよいのです。
また、じゅう毛は複雑な伸縮運動を行っており、小腸を通過するペースト状の食物から栄養を吸い込みます。1本1本のじゅう毛の内部には毛細血管や毛細リンパ管が網の目のように張りめぐらされ、吸収物質の輸送を促進しています。