疾患・特集

タイプA行動パターンと心臓病

タイプAは虚血性心疾患予備軍?

アメリカの幾つかの調査では、タイプAの人は虚血性心疾患、つまり心筋に血液が十分に行き渡らないために心臓のはたらきに異常が起こる確率が高いという結論が出ています(Jenkins activity survey, Framingham study)。
慢性的に闘争反応を継続しているような性格ですから、交感神経が興奮し続けて血圧上昇、心拍数の増加や血小板の凝集、血液の凝固系が高進して血管が詰まりやすい状態になることは十分考えられます。

タイプAの長所

ただし、タイプAであるからといって、心臓病になるらく印を押されるわけではありません。
日本での心臓病患者を対象にした調査では、タイプAの性格が、虚血性心疾患の発症のリスクファクターであるとは言い切れないという結果もあります。日本人のタイプAはあまり攻撃的な形をとらず、持続する緊張感を自分自身に向ける傾向があるので、その違いがこの結果に現れているのかもしれません。
また、タイプAは向上心にあふれ、その意欲が持続するので職場に適応しやすい、という良い面もあります。
ですから、タイプAの性格傾向があるといっても過度に心配することなく、かといってむやみにはたらき過ぎないことにも気を付けて、生活や意識を見直すきっかけにするくらいの態度でいたいものです。