疾患・特集

慢性ストレスに追い打ちをかける急性ストレス

心臓・血管への影響

怖いのは、慢性的なストレスで心身の疲れがたまっている時に急性ストレスが追い打ちをかける場合です。
慢性ストレスが続くと、免疫力の低下や動脈硬化など、身体の老化現象が起こりやすくなります。
そこに急性ストレスが加わると、急激な血圧上昇や血液の凝固などの変化に身体が耐えきれず、急性心不全や心筋梗塞の発作が起きやすい状態になるのです。

人ごとではない悲劇

過労死は、「過重労働が誘因となって心臓死などを発症し、永久的労働不能や死亡に至った状態」と定義されます。
具体的な事例を見ると、過重労働という慢性的なストレス状態にある人が突発的な事故に出あった時に、死に至る発作を起こすことが多いのです。
例えば、常にノルマに追われて緊張が続いていた人が、ある日大切な書類を紛失したことに気付いた途端、心筋梗塞を起こした、また、時間外労働が数年続いていた人が、大きなプロジェクトを終わらせて、ほっとした途端に急性心不全で倒れた、というものなどです。
緊張の持続の後で急にほっとするのも、ある意味で急性のストレスになるので、休息の取り方にも気を付けなくてはなりません。