疾患・特集

アルコールとがん

発がん物質としてのアルコール

あまり知られていませんが、アルコールにも発がん性があります。1988年にWHOの国際がん研究委員会は、膨大な疫学研究をまとめました。そして、口こう内、いん頭こう頭、食道、肝臓は飲酒で発がんし「アルコールは人体に発がん性を有する」と結論を出しました。
ところで、お酒は濃度が高い方ほど発がんの危険性が高いようです。このことから、アルコールは粘膜に直接的に影響して、発がんに関係していることが考えられます。また、濃度が高いお酒は粘膜の炎症を起こしやすいので、傷ついた粘膜から発がん物質が入りやすいのではないかということも考えられています。
そのほかにも、お酒をよく飲む人は、肝機能障害を起こしていることが多く、食べ物などに含まれているいろいろな発がん物質を肝臓で無毒化できないこと。お酒によって免疫反応が弱まることなども、飲酒家の発がんに関係していると考えられています。
さらに、アルコールの中間代謝物質であるアセトアルデヒドは、動物実験において発がん性が確認されています。