疾患・特集

アルコールと免疫

発がん率が高い常習飲酒家

アルコールが体に及ぼす影響は一般的によく知られています。一方、免疫系に及ぼす影響は、症状や検査結果に目に見えるような異常や、直接的な影響が少なかったのであまり注目されていませんでした。
ところが、常習飲酒家は発がん率が高いこと、呼吸器系感染率が高いことが最近分かっています。また、アルコール性肝障害ではC型肝炎ウイルスの感染がよく見られることなどから、アルコールが免疫系機能を弱めると考えられています。

免疫に与えた影響は、本人とその子供にも及ぶ

アルコールやその代謝産物は、免疫毒とさえいわれています。また、アルコールによる作用には免疫系に直接的に影響する場合と、アルコールが特定の臓器に対して障害を起こしその影響で免疫系に異常が見られる場合があります。
二次的な影響には肝臓、すい臓、神経、消化管などの組織や臓器の障害によるものと、栄養障害やビタミン欠乏によるものがあります。なかでも、代表的なのはアルコール性肝炎やアルコール性肝硬変による免疫異常です。
また、常習飲酒家から生まれた子供は、長期間にわたり免疫系の異常が見られるといわれています。その結果、色々なウイルスに感染しやすく、また悪性腫瘍も発生しやすいようです。