疾患・特集

アルコールと血液(凝固・線溶)

血液におけるアルコールの影響

アルコールと血液凝固・線溶系の変化については、今までさまざまな研究が行われてきています。その結果はアルコールの種類、飲み方、あるいは測定法の違いによってかなりばらつきがあります。
一般的には血液凝固系である血小板機能に及ぼす影響としては、アルコールが血小板凝集を抑制するため、出血傾向があるといわれています。しかし一方では、お酒を飲むと血液の粘性が増して、脳梗塞、血栓症を起こしやすいというデータもあります。

中間代謝物質アセトアルデヒド

ところで、アセトアルデヒドはアルコールの中間代謝物質で、悪酔いの原因であると考えられています。最近の研究でこのアセトアルデヒドそのものが、かなり強力な血小板凝集抑制作用を持つということが明らかにされています。
また、アルコールは線溶を亢進するといわれています。つまり、血栓を溶解するはたらきがあるということです。特に焼酎はほかのアルコール類よりもそのはたらきが大きいといわれています。従って、適量な飲酒は血栓症に対しては、理想的な予防薬といえるかもしれません。
どのくらいが適量なのかはよく分かっていませんが、飲み過ぎは体に良くないことは当然です。