疾患・特集

アルコールと胃腸障害

アルコールによる胃粘膜障害

お酒を飲んだ後に時々、気持ちが悪くなったり、吐いたり、胃が痛くなったします。ひどいときには吐血や下血がみられることもあります。そのため、古くから飲酒について研究されてきました。そして、アルコールによって急性の胃粘膜障害が起こることが明らかになっています。
しかし、アルコールによる胃粘膜障害は基本的には一過性です。ですから、原因であるアルコールがなくなれば速やかに回復します。
ただし、痛み止めや熱を下げるなどのために使われる非ステロイド性抗炎症剤という薬を飲んでいる時は、アルコールによって胃粘膜障害が、さらに悪くなる危険があるため注意が必要です。また、胃粘膜障害があると、胃で行われるはずのアルコール代謝がほとんど行われなくなり、肝臓に負担を掛けることになってしまいます。
アルコールは胃・十二指腸潰瘍ができるのにも影響するといわれていましたが、多くの研究が行われたところ関連性は少ないのではないかと考えられています。

吐き気による障害

お酒を飲み過ぎた後の吐き気によって、マロリー・ワイス症候群という病気が、まれに起こることがあります。吐き気などによって急に腹圧が上がった時に、胃の入り口に裂け目ができて血を吐く病気です。普通は自然に血は止まり1週間程度で回復しますが、出血が多いときは内視鏡を使って血を止めたり、手術をしたりします。