疾患・特集

アルコール離脱症候群

時間の経過によって症状が変わる

アルコール離脱症候群とは、長い間お酒を大量を飲んでいた人が、急に禁酒することによって起こるアルコール身体的依存の症状のことです。アルコールを飲まなくなってから、だいたい7日間以内に一過性の症状が出てきます。

まず、お酒を止めてから7~24時間くらいすると初期症状として、手や舌の大きな震えや、吐き気、発汗、発熱など自律神経症状が見られます。次に、不安、焦燥感、不眠などの症状が起こってきます。さらに、48~72時間くらい経過すると意識障害を中心に幻視、幻聴、錯覚なども見られるようになります。

原因は不明

どうしてアルコール離脱症状が起こるかについては、まだよく分かっていません。しかし、アルコールは脳内の神経伝達物質の量や、その代謝酵素のはたらきに多くの変化を与えることが分かっています。
ですから、血中アルコール濃度が急激に下がったために、神経伝達物質を通じて、視床下部や中脳などを中心に広い範囲にわたり影響を受けた結果、症状が現れるのではないかと考えられています。