お酒に強い弱いを決めるのは、ALDH2を多く持っているかどうかです。もともと飲めない人が鍛えて強くなった場合は、体にとって危険なことのようです。
アルコールは肝臓のアルコール脱水素酵素(ADH)によってアセトアルデヒドになり、さらにアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)により酢酸になり、最終的には炭酸ガスと水にまで分解されます。
ALDHにはアセトアルデヒドが低濃度の時にはたらくALDH2と、高濃度にならないとはたらかないALDH1があります。このALDH2を多く持っているかどうかが、お酒に強い弱いを決めます。ALDH2は遺伝するものですから、お酒に強い弱いは生まれつきの体質です。
日本人の約半数は生まれつきALDH2が弱いか欠けていますので、外国人に比べてお酒に弱い人が多いのです。
ところが、アセトアルデヒドはミクロゾームエタノール酸化酵素(MEOS)という酵素でも分解されます。MEOSは鍛えるとその力が強くなってきますから、飲めない人が練習をしているうちに飲めるようになることもあります。
ただし、MEOSは数週間お酒をやめていればもとの状態に戻ってしまいます。
それに、MEOSを使い過ぎると肝障害を起こしやすくなりますので、もともと飲めない人が飲めるようになったというのは、体にとっては危険なことのようです。