疾患・特集

わが国のアルコール消費量

止まらない日本のアルコール消費量

わが国のアルコール消費量は年々増加の一途をたどっています。国税庁統計年報書によると、1993年度の純アルコール消費量は826,109klです。成人の飲酒者はおよそ6300万人といわれていますので、飲酒人口1人当たりの純アルコール消費量は約8.8Lとなります。

純アルコール消費量は1965年度を100とすると、1993年度では227にもなっています。WHOが1980年にアルコールの消費を減らすための提言を行いましたが、その増加の勢いはとどまりません。
ところで、世界の動向をみると、欧米先進諸国のアルコール消費量は減少傾向、あるいは頭打ちの傾向にあります。わが国の消費量は欧米諸国と比べると少ないのですが、日本人の約半数はアルコール代謝能力の一部が欠けているという人種的特徴を考慮しますと、この消費量はむしろかなり多いものと考えられます。

アルコール関連問題が深刻に

こうした近年のアルコール消費量の増加に伴い、アルコール関連疾患、アルコール依存症など、アルコールに起因する健康障害も増加しています。さらに、交通事故、犯罪・非行、家族崩壊などのアルコール関連問題も深刻度を増しています。