疾患・特集

眠れない夜、羊を数える前に

注意力が散漫に

たばこは脳にも悪影響を与えます。喫煙者は非喫煙者に比べて脳の血流量が約10%も低いという報告があります。ニコチンによって起こる血管の収縮や、一酸化炭素とヘモグロビンが結合することによって、酸素や栄養分がスムーズに送られず、脳内で減少するからです。

喫煙が長期に及ぶと、記憶が不得意になります。女子大生の喫煙者に対し、紙巻たばこを1本喫煙した後で、スクリーンに映した単語の想起テストを行いました。単語の想起数は非喫煙者と差はないものの、スクリーン上の単語の位置の正確率ははるかに低く、注意率の低下が認められるという調査結果になりました。

寝つきが悪くなる

また一般に、常習喫煙者は非喫煙者より寝つきの悪いことが脳波の検査により分かっています。ある調査によると、常習喫煙者の就寝後の覚せい時間は平均92..3分、非喫煙者の平均は73.9分で、特に入眠までの時間は前者43.7分、後者29.8分と差があります。
また別の調査では、常習喫煙者の男性は7.06時間、女性7.34時間の睡眠時間であり、非喫煙者ではそれぞれ7.30時間、7.50時間といずれも非喫煙者の方が長くなっています。
さらに睡眠障害に対しては、禁煙期間がたとえ短期間 (3日または5日程度)でも、睡眠障害が明らかに軽快するという実験結果も得られています。