疾患・特集

たばこを吸う女性

20代女性の喫煙が急増

日本では、男性の喫煙率は低下しつつあるものの、日本たばこ産業による調査では、96年の日本人男性の喫煙率は57.5%となっており、先進国中ではトップクラスです。
一方、女性は14.2%で世界と比較して喫煙率は低いのですが、欧米諸国が数十年前に経験したのと同様に、若い女性の喫煙率が高くなる傾向が見られます。
特に20歳代の女性の喫煙率は、75年の12.7%から95年の23.3%へと、20年間で約2倍になっています。

女性の方ががんにかかりやすい?

喫煙の女性への影響としては、まず、女性特有のがんである子宮がんについて考えられます。喫煙女性の子宮けい部粘液中に、ニコチンや、これが体内で代謝されたコチニンなどが検出されたことから、たばこの発がん作用が指摘されています。
また、近年、増加の傾向を見せる肺がんについては、男女が同じ本数を吸った場合に女性の方が発がんの危険性が高いという、女性にとっては心配な報告もあります。

たばことピルの併用は避けたい

性機能への影響では、不妊症や月経不順との関連があげられます。たばこ含有物質によって、ホルモン分泌が影響されるからだろうと考えられていますが、喫煙者は非喫煙者に比べて妊娠に至るまでの期間が延びる傾向が高いという報告があります。
また、経口避妊薬(ピル)の服用は、虚血性心疾患の発症リスクを高めるので(心筋梗塞による死亡率が非喫煙者の約6倍という調査結果があります)、ピルの服用者は喫煙を避けることが勧められます。これは喫煙、ピル共に血液凝固を促進するからだろうと推測されています。

そして、お肌の大敵

美容の面への悪影響も見逃せません。ニコチンは血管を収縮させて血流量を低下させるので、顔色が悪くなり、肌も乾燥し、しみやそばかすが増えてしわの多い皮膚になるのです。