疾患・特集

アルコール依存とも関係があるビタミン・ナイアシンの欠乏症

ビタミンB1欠乏で起こるウェルニッケ脳症

ビタミンB1欠乏症には、東洋に多い脚気と、西洋に多いウェルニッケ脳症があります。
このうちウェルニッケ脳症は中枢神経疾患で、眼球運動麻痺、歩行運動失調、意識障害を伴いますが、慢性化するとコルサコフ症という精神疾患に移行します。
そこで、ウェルニッケ脳症とコルサコフ症を一括して「ウェルニッケ‐コルサコフ症候群」と呼んでいます。ウェルニッケ‐コルサコフ症候群は、アルコールの摂取量の多い人に多発し、アルコール依存症との関連が注目されています。アルコールばかり飲んで他の栄養素を取らないため、ビタミンB1欠乏症として、これらの症状が現れてくるのです。

ナイアシン欠乏で起こるペラグラ

ナイアシン欠乏症として知られているペラグラは、食欲不振や全身けん怠感などを招きます。皮膚症状としては、顔や腕などに紅はんが生じ、かゆみや熱感を伴った水泡やびらんが見られます。下痢、知覚異常、まひ、痴ほうもきたします。
ペラグラ患者はたんぱく質、カロリー、ビタミンB群なども併せて欠乏していますが、これはアルコール依存症に伴うケースがほとんどです。