疾患・特集

腎臓が弱い人はなぜたんぱく質の制限が必要か?

たんぱく質と腎臓の関係

口から入ったたんぱく質は胃で胃液によって消化されペプトンという物質に分解されます。
さらに小腸では、さまざまな酵素がはたらき、ポリペプチドからオリゴペプチドという形になり、最終的にはアミノ酸となって肝臓へ運ばれます。
肝臓で必要な形のたんぱく質に再合成されますが、その際、アミノ酸の窒素成分の一部がアンモニアとなり、大部分は尿素サイクルによって毒性の少ない尿素に変換されて腎臓を経て排せつされます。

尿毒症の危険性

ところが腎臓が弱いと、この排せつが十分でなくなり、尿素が体内に蓄積されていきます。これが毒性を示すまでになると尿毒症になり、生命を脅かしかねません。そのため、腎臓が弱い人は尿素の源になるたんぱく質の量を制限し、尿素の量を少なくしなければならないのです。
また、最近ではたんぱくを過剰に取ると、腎臓の糸球体という血液ろ過装置が障害されることも分かってきました。糸球体には血液を送る動脈と、そこから血液が出ていく動脈がありますが、たんぱくを過剰に取ると糸球体から出る動脈が収縮して糸球体そのものが高血圧になり、障害されるとされています。