疾患・特集

喫煙はなぜ高脂血症を増幅させるか

喫煙すると、動脈硬化の防止作用を妨げる

コレステロールには、動脈硬化を促進する方向にはたらくLDLと、予防する方向にはたらくHDLがあります。
1日20本以上の喫煙者はHDLが正常値(40mg/dl以上)を割っていることが多いといわれています。LDLと総コレステロールが正常値でも、HDLが低ければ動脈硬化が進むことになりますから、高脂血症の場合は喫煙が非常に大きな危険因子となります。
また、たばこの煙の中に含まれる物質はLDLの変性を促進し、動脈硬化を進展させるといわれています。

ニコチンの血管収縮作用

さらに、たばこのニコチンが持つ血管収縮作用は、動脈硬化など血管障害を悪化させます。また高血圧の喫煙者が心血管障害で死ぬ確率は、非喫煙者の3、4倍というデータもあります。
たばこが循環器に与える悪影響はHDLを下げてしまうだけではありません。特に高脂血症では、喫煙はできるだけ控えたほうがよさそうです。