疾患・特集

動物性脂肪の摂取増加による胆石症の増加

胆のうは脂肪を分解する消化液、胆汁を分泌しています。
胆石は胆汁の中の成分が固まったもので、石ができると、胆のうの出口や胆のう管が詰まってしまうため、激しい腹痛、発熱、黄だんといった症状が出ます。
また、人間ドックや検診などで超音波検査が普及し、無症状の胆石もしばしば見つかります。

日本人はコレステロール胆石が約60%

胆石の原因は胆汁成分の変化、胆汁のうっ滞、胆道の細菌感染などです。
胆石にはコレステロール石、色素石(主成分は無機カルシウム塩、またはビリルビンカルシウム)、炭酸カルシウム石、脂肪酸カルシウム石などがあります。
日本の食生活が変化し、動物性脂肪の摂取量が増加したことにより、コレステロール系の胆石も増え、現在日本人の胆石の約60%を占めています。

コレステロール胆石は、ほとんどが胆のう内に

胆汁の中でコレステロールは胆汁酸やレシチンといった成分に溶け込んでいます。胆汁内のコレステロールが多くなり過ぎたり、逆に胆汁が少な過ぎる場合、コレステロールが過飽和の状態になって結晶化し、コレステロール胆石を作ります。
胆汁内の胆汁酸とレシチンのコレステロールに対する比率は、胆石生成インデックスと呼ばれ、胆石のできやすさの指標にされています。コレステロール胆石は胆のうの中にできることが多く、胆管の中にはめったに発見されません。