疾患・特集

食塩感受性の原因は

腎臓のナトリウム排せつ機能との関係

食塩を取ると血圧が上がりやすく、減塩すると血圧が下がりやすい人の性質を食塩感受性といい、日本人の本態性高血圧患者の多くが食塩非感受性といわれている。このような食塩に対する反応の違いは、主として腎臓のナトリウム排せつ機能と密接に関係している。
腎臓からどんどんナトリウムが尿の中に出ていく食塩非感受性の人と比べ、食塩感受性の人は、ナトリウムがなかなか排せつされないので、体の中にたまってしまう。
ナトリウムは水をひきつける性質を持っているので、その分、腎臓からの水分の排せつ量も減って、体内に水がたまる。こうして体をめぐる血液量が増えて、心臓は大量の血液を動かすために速く大きく拍動し、血圧が上昇することになる。

原因の一つは遺伝

食塩感受性が生じる原因として、まず遺伝があげられる。
両親のいずれかが、食塩感受性の高血圧だと、子供も同じ傾向を示すケースが多い。体内の血圧上昇物質であるアンジオテンシンIIが作られるのを助けるアンジオテンシン変換酵素の遺伝子と、食塩感受性の遺伝子が関連しているという研究報告もある。
アンジオテンシン変換酵素の遺伝子には、いくつかのサブタイプがあり、特定のタイプを持つ人は食塩感受性になりやすい。
食塩感受性を左右するのは遺伝だけではなく、年齢、性、肥満度、腎臓病の有無、糖尿病の合併なども影響する。高齢である、女性である、肥満である、腎臓病がある、糖尿病があるという人の方が、食塩感受性は高まると考えられている。
また、ストレスも影響するといわれている。