疾患・特集

地域ぐるみで減塩運動

10年間で半減に成功

山梨県では1979年(昭和54年)に初めて行われた県民栄養調査で、一人当たりの1日の食塩摂取量が16.6gであることが分かりました。
県内の死因別死者数でも、塩分の取り過ぎと関係が深いといわれる脳血管疾患がトップを占めていました。
そこで同年の内に、県と、県医師会がタイアップして減塩運動をスタートさせました。
50世帯を1グループとして、それぞれに研修を積んだ栄養改善推進員が一人ずつ割り当てられ、保健婦、栄養士と連携し、各家庭の味付けを指導しました。
料理の講習会や家庭訪問を繰り返し、みそ汁の塩分濃度を測る塩分濃度計と血圧計を持って、減塩の必要性を説いて回りました。
1軒が納得して薄味を実践するようになると、「あそこの家でもできたのだから」とグループ全体が同調していきました。
その結果、総務庁の家計調査で、1980年には1世帯当たりの塩の年間消費量が6.6kgと、全国で4番目に多かったものが、1990年代前半には全国平均値の3.1kgにまで減少しました。地道な運動が成果を上げるという好例でしょう。