疾患・特集

あなたの1日の食塩摂取目標は?

すでに血圧の高い人

軽症(最高血圧140 ~159mmHg 、最低血圧90~99mmHg、臓器の病変なし)の場合は1日6~8g。ただし自覚症状もなく、日常生活に支障がないケースでは、8~10gで良いといわれています。
中等症(最高血圧160 ~179mmHg 、最低血圧100~109mmHg、心臓肥大、網膜動脈狭さく、たんぱく尿あり)の場合は1日5~6gが基本です。
重症(最高血圧が180mmHg 以上、最低血圧110mmHg以上、心不全、網膜の出血・浮しゅ、狭心症・心筋梗塞を伴う)になると、1日3~5gに制限しなければなりません。この制限では、食塩を含む加工品を取ると、調味料としてはほとんど使用できなくなります。
特に日本人では長く続けることは不可能に近く、医師の指導を受けながら、浮しゅが抑制され、尿量が増加、血圧の低下が見られれば5g程度まで増やしていくのが現実的です。

食塩感受性の高い人

食塩感受性が高い人(salt-sensitive)の場合は、同じ量の食塩を取っても、感受性のない人と比べると、血圧がすぐに敏感に反応し、上昇します。血液の検査で、この感受性の有無を調べることは可能ですが、現在はまだ研究段階で一般化されていません。
一般の病院に2週間ほど入院して減塩食と通常食を1週間ずつ取り、感受性の有無を調べる方法がありますが、これも現状では保険がきかず、医療機関でも、実施しているところはごくわずかです。
一般的には、厚生労働省が現在摂取目標としている男性:8g未満、女性7g未満という基準を守るのが良いでしょう。

食塩感受性のない人

食塩感受性のない人(non-salt-sensitive)の場合は、腎臓のナトリウム排せつ機能が正常にはたらくため、余分な塩分を取っても、4~5日で排せつされてしまいます。その意味では摂取に厳しい制限を設ける必要はありません。
ただし、塩分の多いものを取り過ぎると、主食が進み、食べ過ぎを招く可能性があるため、肥満の予防のためにも、基本的な注意は必要です。