疾患・特集

よく噛んで食べる

だ液の効能

噛むとだ液が出てきます。だ液の中には、でんぷんを分解するアミラーゼという強力な酵素が含まれています。ご飯に含まれるでんぷんが、だ液と混ざると、アミラーゼによって非常に早いスピードで多量の糖分ができます。口の中で早くも消化・分解が始まっているのです。
胃の中に入った糖分を多く含むご飯は、速やかに血液中に吸収されます。血液中の糖分の濃度が一定になると満腹感が出てきます。つまり、よく噛むことによって、食べ過ぎないようにブレーキがかかります。

脳を刺激する

最近では、よく噛むことが脳に良い刺激を与えるといわれています。よく噛むと、2時間後に消化のはたらきをよくするコレシストキニンというホルモンが十二指腸から分泌されます。
また脳の中でもコレシストキニンが産出され大脳の海馬にはたらきかけます。ここは、記憶や学習に関係するところです。食後、血中のグルコース濃度が上がると、記憶力を高めたり、脳のはたらきを活性化します。
あごを動かすことは、脳へ血液を大量に送り込んで、脳全体の血液の循環を良くするはたらきもあります。さらに、脳の老化防止や低下した脳の機能を回復する効果もあるらしいといわれています。
柔らかいものばかり食べるのでなく、かみごたえのあるものを、よくかんで、食事にゆっくり時間をかけることが脳の活性化にもつながるのです。