疾患・特集

健康とは(WHOの定義)

社会的な視点から健康を考える

すでにプラトンの時代(紀元前3世紀)から「肉体的健康に影響する精神、精神的健康に対する肉体」が考慮され、健康を保つうえで肉体と精神のバランスが重要であるということがいわれてきました。
しかし、それは健康に対する個体からの視点でした。長い人間の歴史のなかでは、健康を社会的な視点からも考えることは十分に行われてきませんでした。

WHOの定義とその反響

近年になってようやくWHO(世界保健機関)が「健康とは、何事に対しても前向きの姿勢で取り組めるような、精神および肉体、さらに社会的にも適応している状態をいう」と定義しました。
しかしその一方で、この定義は一様に高齢社会を迎えつつある文化的世界各国にとっては理想的すぎ、かつ静的な概念だという意見もあります。
このような指摘をする医学者たちの間では「現代社会では健康を絶対的なメジャーで測るのではなく、相対的なものとして捕らえ、かつ受動的な面よりも能動的な面が強調され、生きることの目標との調和において築かれるものと考えるほうがより自然である」といった考えが広まり、「健康と生活習慣との結び付き」を重視する時代になってきています。