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就学前にポリオワクチンを任意接種できること知っていますか?

ポリオは有効な治療法がなく、重症になると手足にまひなどが起こって後遺症につながります。ワクチンの予防接種に関しては、時間が経つにつれて効果が弱くなるので、多くの国では4歳以降に追加接種が実施されています。日本でも、就学前に任意で追加接種を受けることができますが、認知度も接種率も低いのが現状です。

ポリオはワクチンで予防

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ポリオは有効な治療法がなく、重症になると手足にまひなどが起こって後遺症につながります。ワクチンの予防接種に関しては、時間が経つにつれて効果が弱くなるので、多くの国では4歳以降に追加接種が実施されています。

日本では、1歳代までに不活化ポリオワクチンを4回接種し、就学前に任意で通算5回目の追加接種を受けることができます

ところが、千葉県立佐原病院小児科(現:ユーカリが丘アレルギーこどもクリニック 院長)松山 剛先生とサノフィ株式会社の共同で、3歳半~6歳のお子さんを持つ保護者300人にアンケートを実施したところ、就学前の任意接種を知らなかったのが9割近くで認知度が低いことが明らかになりました(サノフィ株式会社プレスリリース2018年3月28日より)。

ワクチンで防げる病気はワクチンで予防したい

アンケートは、過去に経口生ポリオワクチンを接種したことがなく不活化ポリオワクチンを4回接種しており(定期接種)、就学前の追加接種(任意接種)の対象年齢となる保護者、ならびに6ヵ月以内に任意接種の対象年齢となる3歳半~6歳のお子さんをもつ保護者300人(男児、女児の保護者それぞれ150人)を対象にインターネットを介して調査を実施しました(2016年10月28日~11月8日に実施)。

以下は調査結果です。まず、「ワクチンで防げる病気はワクチンで予防する」に同意していたのは96.0%(同意52.0%、まあまあ同意44.0%)で、任意接種を受ける理由としては「ワクチンで予防できる病気はできるだけ予防したい」が86.6%と最も多く、次いで「病気になったときにひどい症状があるものや、後遺症がある病気はワクチンで予防したい」が68.8%などでした(参照:サノフィ株式会社プレスリリース【図3】)。

保護者の8割以上が任意接種に関する情報提供を希望

お子さんの任意接種を受けたワクチンのうち接種率が多いのは、おたふくかぜ(83.8%)、水痘(79.4%)でした。

お子さんに接種可能なワクチンの情報提供について聞くと、「定期接種および任意接種のワクチンすべてについて医師や看護師から教えてほしい」と回答が86.3%と、ワクチンに関する情報のニーズの高さが伺えました。

また、お子さんに任意接種を受けさせる契機について聞いたところ、多かった回答としては「自治体から接種費用の補助や免除(助成といいます)がある」、「かかりつけ医の医師から勧められる」が挙げられていました(参照:サノフィ株式会社プレスリリース【図5】)。

保護者が知りたい情報は接種費用、効果、副反応、接種スケジュール

ポリオやワクチンの認知度に関しては、「以前の経口生ワクチンから現在は注射の不活化ワクチンになっている」は認知度が81.4%、「四種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ)に含まれている」は78.0%と高い一方、海外で流行地域があることや、重症になると手足のまひなどを起こして回復しないケースがあること、ポリオの唯一の予防法はワクチン接種であることに関しては認知度が半数以下でした(参照:サノフィ株式会社プレスリリース【図6】)。

就学前に不活化ポリオワクチンを任意で5回目の追加接種を受けられることについては、「知らなかった」の回答が86.6%でした。保護者が就学前の追加接種を検討するきっかけに関しては、「かかりつけ医からの勧め」、「地方自治体の推奨」の回答が半数以上でした。また、追加接種に関する知りたい情報(複数回答)は、「接種費用」(70.7%)、「効果」(64.3%)、「副反応」(63.7%)、「接種スケジュール」(63.3%)などでした。

日本でもポリオウイルス感染が蔓延する可能性は否定できません

日本では、2016年から就学前に不活化ポリオワクチンを任意で追加接種できるようになりましたが、認知度も接種率も依然として低いのが現状です。現在、日本ではポリオの発症報告はありませんが、海外では流行地域がありますので、外国人の入国者数が増加している日本でもポリオウイルス感染が蔓延する可能性も否定できません。予防接種を受けることは非常に重要なのです。

そこで、日本の子どもからポリオ患者をださないためにはワクチンの予防接種に関して認知度を高めていくことが求められています。今回のアンケート結果からは、かかりつけ医や自治体が費用の助成、効果、副反応などを踏まえて就学前の追加接種の情報を伝えていく重要性が明らかになったのではないでしょうか。

出典:サノフィ株式会社プレスリリース 2018年3月28日(PDF)

公開日:2018/06/25