疾患・特集

赤ちゃんの先天性障害を知りましょう

先天性障害とは、生まれてくる赤ちゃんに何らかの障害、疾患がある状態を言います。その先天性な障害にはどのような特徴や種類があるのでしょうか。一部を紹介します。

先天性障害とは

先天性障害とは、生まれてくる赤ちゃんに何らかの障害、疾患がある状態を言います。その障害、疾患にはさまざまなものがあり、おおよそ出生時、あるいは1歳までの間に症状が明らかになります。

染色体疾患ダウン症候群(21トリソミー)

罹患している新生児は、おとなしく、めったに泣かないという症状を示す傾向があります。身体的な特徴として、成長障害、筋肉の緊張低下、特徴的顔貌があります。出生時は外見上正常で、乳児期になってから特徴が現れる場合もあります。
合併症として心疾患、消化管奇形、甲状腺疾患、耳鼻科疾患、眼科的疾患などが挙げられますが、すべて合併するとは限りません。
ダウン症の子供の多くは、支援クラスを利用しながら地元の学校や特別支援学校に通っており、スポーツや芸能などさまざまな分野で活躍している方がいます。
近年の女性の出産年齢の高齢化により、卵子形成時の染色体分離の頻度の増加が発症の原因のひとつと考えられています。

フェルニケトン尿症(PKU)

フェニルケトン尿症とは、フェニルアラニンを代謝する酵素のはたらきが生まれつき十分ではない症状のことを言います。フェニルアラニンが体内に蓄積されると、脳の発育に障害が出てきます。
フェルニケトン尿症は、新生児マス・スクリーニング検査で発見することができます。現在日本で産まれた子どもたちは生後4~5日目にこの検査を行っています。
フェルニケトン尿症と診断された場合でも、フェニルアラニン値を食事療法や薬剤でコントロールすることにより、健康に成長発達することができます。PKUの子どもたちは食事制限ということを除けば、ほかの子供たちと同じように暮らせますし、女性であれば妊娠や出産も可能となります。

先天性風疹症候群

先天性風疹症候群とは、免疫のない女性が妊娠初期に風疹にかかり、それが胎児にも感染してしまう病気です。厚生労働省によると、妊娠12週までの妊娠初期に最も多くみられるそうです。
感染症によって引き起こされる疾患として、先天性心疾患、難聴、白内障などが挙げられます。先天性心疾患と白内障は妊娠初期3ヵ月以内、難聴はそれ以後の感染でも発症する可能性があります。白内障は黒目が白く濁る症状、難聴は耳が聞こえづらい症状が現れます。そのほかにも、網膜症、血小板減少、などの症状が出てくることがあります。
この病気にそれ自体の治療法はありません。また、すべての症状が出てくるわけでもないので、気づかれるまでに時間がかかることもあります。予防したい人は、風疹ワクチンがありますので、ワクチンを接種することにより胎児感染を防ぐことができます。しかし、妊娠中にはワクチン接種ができませんので、妊娠前にぜひ済ませておきましょう。

発達障害

発達障害にはいくつかのタイプがあり、自閉症、アスペルガー症候群、注意欠如、多動性障害(ADHD)、学習障害、チック障害などがあります。生まれつき脳の一部の機能に障害があり、同じ人にいくつかのタイプの発達障害があることもめずらしくありません。
また、同じ障害を持つ人同士でもまったく違うタイプに見えることがあり、個人差がとても大きいです。発達障害の特性として、生活を追い詰めてしまう可能性と生活を豊かにする可能性の両方を持ち合わせています。

先天性障害と診断されたら

先天性の障害になりたくてなる人はいないと思います。ですから、お子さんが先天性障害だったとしても、決してその子や自分自身(親)を責めないようにしましょう。そして、担当医師と良く相談し、一人で抱え込まないようにしましょう。同じ障害を持つ家族の家族会などもありますので、情報交換などもできます。

公開日:2018/06/25