疾患・特集

性器ヘルペスとは?男女別の症状と予防法

ヘルペスは性器に現れることがあり、その性器ヘルペスは男女によって症状が異なります。また、ほとんどの場合は性交渉により感染しますが、性交渉以外で感染するケースも存在します。性器ヘルペスの症状や予防法について詳しく解説します。

ありふれたヘルペスウイルスが性器にも

寝不足や疲れがたまっている時などに現れるヘルペス。ヘルペスは口の周りなどに現れるありふれた病気です。このヘルペスは単純ヘルペスウイルスに感染したことにより発症するもので、その症状は体力が低下している時などに現れやすくなります。

そしてそのヘルペスが性器に現れることがあります。単純ヘルペスウイルスには1型と2型があり、口の周りに現れる口唇ヘルペスは1型の場合が多く、性器ヘルペスは2型が多いものの、1型が原因の性器ヘルペスもあります。

男性と女性で症状が異なる

性器ヘルペスは男女によってその症状が異なります。男性の場合は亀頭や陰茎、大腿部、臀部、直腸粘膜や肛門周辺で、痛みやかゆみ、赤い発疹や水ぶくれができたり、発熱することもあります。そして、女性の場合は外陰部や膣入り口付近の場合が多く、ほかに臀部や子宮頚部にも赤い発疹や水ぶくれ、ただれなどの症状が現れることがあります。

そして、一般にヘルペスは初めての感染時に強い症状が現れ、性器ヘルペスの場合、男性では尿道にも症状が現れることがあり、また、倦怠感、リンパ節の膨張が見られることもあります。

女性では排尿困難、歩行困難になってしまうこともあり、妊娠時であれば、胎児が新生児ヘルペスになってしまう危険性もあるので、注意が必要です。

性交渉により感染する性器ヘルペス

性器ヘルペスのほとんどは性交渉により感染します。性器ヘルペスに感染していると、相手にうつしてしまうことになります。したがって、自分に性器ヘルペスの症状がある時には性交渉を控えなければなりませんが、ヘルペスの場合、感染していても必ずしも症状があるとは限りません。

性器ヘルペスに感染しないためには

多くの性感染症はコンドームなどの使用により、その感染を予防することができますが、性器ヘルペスではコンドームに覆われていない部分の感染を防ぐことは不可能です。そのために、性器ヘルペスを完全に予防する方法はありません。

しかし、性交渉の相手が特定の人のみならば、その可能性を下げることは可能です。特定のパートナーの異変には気がつきやすく、それに気がつけば、患部に触れない、触れた場合はよく手を洗うなどの対処を行うことが可能になります。

タオルや便座からも感染

性器ヘルペスで注意しなければならないのは、原因となるのが2型の単純ヘルペスウイルスに限らないという点です。1型でも性器ヘルペスになるため、自分の口唇ヘルペスからパートナーが感染、性器ヘルペスになってしまう可能性がありますので、あらゆる性交渉に注意しましょう。

また、タオルや便座を介して感染することもありますので、同居人にその症状がある時にはタオルを共有しない、便座とお尻の間にタオルやガーゼなどを挟んでもらい、直接便座に触れないようにしてもらう必要があります。

症状に気づいたら泌尿器科や婦人科へ

男女で症状が違う性器ヘルペスは、男性の場合、治療は泌尿器科で行われることが一般的です。そして、女性の場合は婦人科が多いようです。また、皮膚科や性病科でも診療が可能です。

ヘルペスは再発しやすく、体内のヘルペスウイルスを完全に撲滅することは困難ですが、抗ウイルス薬により、その増殖を抑制することは可能です。性器ヘルペスは自分だけの病気ではありません。体内でウイルスが猛威を振るう前に、異変に気づいたらできる限り早く、これら医療機関の診察を受けてください。

■関連記事

公開日:2016/06/20