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生活習慣病で認知症のリスクが高まる!?その関係性とは?

日本人の死亡原因の3分の2を占めるといわれている生活習慣病ですが、認知症にも影響があることをご存知でしょうか。脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症、それぞれに生活習慣病がどのように影響しているのかをご紹介しましょう。

認知症のリスクが増加する生活習慣病

日本人の死亡原因の3分の2を占めるといわれている生活習慣病ですが、認知症にも影響があることをご存知でしょうか。生活習慣病は、認知症のなかでも脳血管性認知症、アルツハイマー型認知症の発症に関与しているという論文も発表され、このなかでは生活習慣病への対策は認知症の予防だけではなく、発症後の進行抑制にもつながるとまとめられています。

それでは、脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症、それぞれに生活習慣病がどのように影響しているのかをご紹介しましょう。

脳血管性認知症と生活習慣病

脳血管性認知症は、脳の血管が詰まったり出血したりして脳の細胞に酸素が送られない状態となり、神経細胞が死んでしまうことによって起こります。症状には、めまい、しびれ、言語障害、麻痺、感情失禁(涙もろくなる)、知的能力の低下、判断力の低下などがあり、脳がダメージを受けた部位によって異なります。

このような脳の血管に影響を及ぼすのが、糖尿病や脂質異常症、高血圧といった生活習慣病です。生活習慣によって引き起こされるII型糖尿病で、血糖値が高いままになると脳血管や脳神経に障害が起こりやすくなるといわれています。

また、脂質異常症や高血圧の場合は、動脈硬化を起こしやすく、これにより血流が悪くなり、脳梗塞や脳出血などが起きやすくなって、脳血管性認知症につながる場合もあります。

アルツハイマー型認知症と生活習慣病

アルツハイマー型認知症は、脳にアミロイドβやタウなどの特殊なたんぱく質がたまり、神経細胞が壊され減少するために起こります。症状としては、記憶障害、判断力の低下、日付がわからない、自分のいる場所がわからないなどの見当識障害が見られます。

アルツハイマー型認知症になる原因は、はっきりと解明されていません。しかし、高血圧によりアミロイドβの産生が促進され、病状が加速されるのではないか、という見方もあります。また、糖尿病についても高い相対危険度が報告されています。

生活習慣病による認知症を予防するには

これまでご紹介したように、認知症のなかには生活習慣病が原因となっているものがあります。反対にいえば、生活習慣病を防げば認知症の予防にもなる、ということです。認知症の予防、というと難しいもののように感じる方もいらっしゃるかもしれません。でも、生活習慣病の予防ならば、禁煙をする、アルコールの飲み過ぎを控える、適度な運動を続けるなど、日常生活でもできることがたくさんあります。

また、このようなことを実行していても生活習慣病が心配、という方は病院に行って医師に相談をするのもよいですね。

公開日:2016/02/29