20代前半の女性によくみられる顎関節症は、歯並びや噛み合わせの悪さや、あごの関節の異常のほか、ストレスによる睡眠時の歯ぎしりなど、さまざまな原因があります。顎関節症の症状、治療法ほか顎関節症が引き起こすその他の症状について解説します。
あごの関節の異常で痛みなどが起きる顎関節症は、女性によくみられる病気のひとつとされています。年代別では、20代前半の若年層や、40~50代に多くみられます。
顎関節症の主な原因として、歯並びや噛み合わせの悪さ、歯の痛みなどによる、あごの筋肉の酷使が挙げられます。そのほかにも、関節炎や、心理的ストレスによる睡眠時の歯ぎしりなど、さまざまな原因によって引き起こされます。
顎関節症になると、主に次のような症状が現れます。
食べ物を噛むためにあごを動かしたときや、口を大きく開けたときに、痛みを感じるようになります。
手のひらを地面と垂直にして人差し指、中指、薬指の3本を縦にそろえ、指先を口に向けた際に、3本とも入る程度まで口を上下に開けることができません。
あごの関節から「カクカク」または「カチッ」「パチッ」というような音が聞こえるようになります。
これらのほかに現れることがあるのが、頭痛、首から腕にかけての痛み、耳詰まり、めまいなどの、あご以外の部位の症状です。頭痛が繰り返され、薬を飲んでも治まらないので病院で診てもらった結果、顎関節症だったというケースもあります。
顎関節症の治療には、歯にかぶせてあごを固定する、義歯のようなプラスチック製の器具を使用することが多いようです。日中や就寝時に装着すると、歯ぎしりを防げたり、噛み合わせを安定させたりする効果が得られます。また、痛みに対しては鎮痛薬が用いられるほか、原因に応じてマッサージや超音波治療などの理学療法が行われることもあります。
さまざまな原因が考えられる病気であり、前述のとおり、ただの頭痛だと思っていたら顎関節症だったということもありますので、異常を感じたら早めに医師に相談するのがよいでしょう。