気温が30度を越す暑い季節。いつもにまして欲しくなるのが水分たっぷりの果物類だが、なかでもおすすめは夏が旬のパイナップル。パイナップルの健康効果を紹介する。
気温が連日30度を超す猛暑の季節。この時期、いつにもまして欲しくなるのが水分たっぷりの果物類だが、なかでもおすすめはパイナップル!
日本にはフィリピン産のものが多く輸入されているが、最近では、手でちぎって芯の部分まで食べられる台湾産のスナックパインという品種も出回っている。また、日本で唯一栽培している沖縄から生で露地モノが出るのは7~9月。フレッシュジュースやパフェ、アイスやケーキ、ドライフルーツ、酢豚など、食べ方はさまざまで缶詰など加工品で見かけることも多いが、この季節にはぜひ、丸ごと買って生で食べて欲しい。なぜなら、生のパイナップルは健康にもよいからだ。
未熟なパイナップルを食べると、舌がピリピリすることがある。これは、プロメリンというたんぱく質分解酵素がたくさん含まれているせい。これは、熟すにつれてなくなり、加熱すると効力を失う。よく、ゼラチンなどの箱に「生のパイナップルは使えません」といった説明書きを見かけるが、これは、プロメリンがゼラチンのたんぱく質を分解し固まらないようにするからなのだ。
夏に生のパイナップルをおすすめする最大の理由が、プロメリンのたんぱく質を分解する性質にある。酢豚に入っているパイナップルを思い出してほしい。プロメリンはたんぱく質を分解するため、パイナップルを使うと、肉を柔らかく味をまろやかにし、消化を助けるのだ。そのため、食欲を失いがちな夏こそ出番!熱帯地方でも、食後にパイナップルを食べるとよいと言い習わされているそうだ。ただし、プロメリンのたんぱく質分解作用は60度以上の熱を加えると効力を失う。料理に使うことで消化への作用を期待するなら、料理の最後に入れるなどの工夫が必要。
消化という面で言えば、パイナップルは食物繊維も豊富なので、便秘予防にもなりそう。
クエン酸やリンゴ酸も豊富に含まれている。レモンや梅干の酸味の元として知られるクエン酸は、疲労回復によく、エネルギー代謝を活発にする。リンゴ酸はクエン酸より甘みが強く、クエン酸を助けて新陳代謝を活発にする。
また、リンゴ酸は熱に強いので、パイナップルに加熱調理をすると、甘みが増す。料理にパイナップルやパイナップル果汁を用いると、味に深みを増し、食欲を増進させるので、夏バテ気味で、食欲がないときにおすすめだ。
そのほか、パイナップルには、日焼け予防に役立つビタミンCや、疲労回復に役立つビタミンB1など、夏の健康を守るうえで必要不可欠なさまざまな栄養素が含まれている。
パイナップルを使った料理で一番馴染み深いのはなんといっても酢豚だろうが、ほかにもカレーやチャーハン、サラダなどに使うこともできる。東南アジアでは料理に使うことも多い。パイナップルの甘酸っぱさが、暑さにやられがちなこの時期の食欲を刺激してくれるのだ。