夏になると活動的になるのは人間だけではない!害虫もさかんに動き回るのがこの季節。もしもアウトドアで、自宅で、害虫に遭遇してしまったら!?警戒すべき蚊やダニ、毛虫、ムカデの生態や、刺されたときの対処法を知っておこう。
活動はおもに昼。逆に夜になると見られなくなる。生息しているのは、おもに雑木林や竹ヤブなどだが、最近は公園や人家など街中にも少なくない。
夜間に吸血し、屋内にも侵入。しつこい羽音で安眠を妨げる。近くに獲物がいなければ、半径1キロ近くも飛び回り、ターゲットを探す。
低温に強く、なんと冬も活動する。よく見られるのは、水洗トイレの浄化槽や、ビルの地下、地下鉄の線路際の溝などの水溜り。最近は都心でも増加中だ。
蚊をおびき寄せているのは、人間が発する二酸化炭素やにおい、熱、汗とともに分泌される物質など。したがって、体温が高めで、新陳代謝により汗や二酸化炭素をたくさん排出する子どもは刺されやすい。また、血液型がO型の人が最も蚊に好まれるという調査結果もある。これはO型の血液中に含まれる赤血球表面に花の蜜に近い物質がついているせいだとか。
蚊に刺されるということは、腫れ、かゆみだけの問題ではない。実は、蚊はさまざまな感染症の病原体を運ぶ怖い虫。思わぬ病気にかかることもある。次に挙げる感染症は、 日本国内でほとんど見られないが、海外旅行先などでは感染する可能性もある。
日本脳炎 | 流行地域はアジアなど。媒介するのはコガタアカイエカ。 |
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デング熱 | 南米、アフリカ、アジアなどで多い。ヒトスジシマカなどにより感染。 |
マラリア | アジアやオセアニアなどで多い。ハマダラカ属の蚊が媒介。 |
ウエストナイルウィルス熱症 | アメリカで多い。イエカ属の蚊により感染。 |
黄熱病 | アフリカで見られる病気。ネッタイシマカが媒介。 |
新築だからと安心してはいられない。ツメダニは、比較的新しい家屋や、代えたばかりの畳で大発生することがある虫。刺されると8~48時間後に赤く腫れ、かゆみが起こる。
気管支喘息やアレルギー性鼻炎を引き起こすのが、ヒョウダニだ。寝具やカーペットなどほこりがたまる場所に繁殖する。糞や死骸がアレルゲン(アレルギーのもと)となるケースも。
ペストに似た野兎病、慢性関節炎を引き起こすライム病などを引き起こす、恐ろしいダニ。だが、刺されてもかゆみが起こらず、まったく気づかないことがある。
刺された場合は、あわてて引き抜いたりせず、周辺部の消毒を。すぐに皮膚科を訪ね、取り除いてもらおう。夏から秋にかけて、山林や藪などで刺されやすい。
かゆい疥癬の犯人がこれ。患者との接触や、ネコなどのペット、衣類や寝具を介して伝染する。刺されやすいのは、手指の股、肘の内側、わきの下、乳房の下、陰部など。1ヵ月くらいで激しいかゆみが起こる。
かきむしると、細菌感染や炎症を起こし悪化しやすい。すぐに皮膚科を受診しよう。できれば、伝染しやすい家族も早めに診察を受けたほうがよい。
異常気象のせいか、最近おおいに増えているチャドクガ。刺されると次第に炎症が広がり、猛烈なかゆみに襲われる。
発生のピークは毎年6月と9月。山茶花、椿、茶などのツバキ科の植物に生息することが多い。触れた場合はもちろん、近づいただけで毛が皮膚に付着し、炎症を起こすことも。
「洗濯物を取り入れるときは必ずよくはたく」「外で見かけたら、帰宅後すぐにシャワーを浴びる」など、予防策を。刺されたら、早めに皮膚科を受診しよう。
ベランダや庭のプランター下などに潜んでいることが多い。刺されると激痛が走り、患部が大きく腫れあがる。
刺された場合は、危険なのですぐに引き離し、頭部を叩きつぶすこと。その後、患部の毒を流水に浸しながら徹底的に絞り出そう。こうした応急処置の後、なるべくすぐ専門医を訪ねるとよい。
ハイキングなどで野山や河原に遊びにいく場合は、できるだけ肌を露出しないことが大切。
長袖の上着、長ズボン、帽子の着用は必須だ!また、虫よけスプレ-や殺虫剤を使うとさらに効果的。たかが虫と侮らず、しっかりと対策を心がけよう。