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「ローズヒップ」は、ビタミンCの爆弾!

「ローズヒップ」はバラ科のハーブだが、ビタミンCが豊富に含まれていることで知られている。ストレスを感じている人や、たばこを吸っている人、風邪をひきやすい人は、要注目!

自慢は「レモンの20倍ものビタミンC」

ローズヒップ

ローズヒップ(Rose Hips)

英名:Rose Hips(Wild Dog Rose)
和名:バラノミ
科名:バラ科

ローズヒップはバラ科のドッグローズなどの果実で、レモンの約20倍ものビタミンCを含むといわれているハーブ。手榴弾のような形をしていることから「ビタミンCの爆弾」とも呼ばれている。 薬用ハーブとしては長い歴史を持ち、中国の伝統医学では"金桜子(きんおうし)"と呼ばれ、腎臓や泌尿器の不調に用いられている。 イギリスでは、飢饉が広がっていた頃にローズヒップが食糧として利用されていたという説も。

免疫力アップに欠かせないビタミンC

ローズヒップに多く含まれているビタミンCは、私たちにとって最も身近なビタミン成分のひとつだろう。壊血病を予防するとして発見されたビタミンで、別名をアスコルビン酸という。1970年代に、ノーベル賞を受賞したアメリカ人の生化学者ライナス・ポーリング博士が「ビタミンCは風邪やがんを予防できる」と提唱したことがきっかけで、一躍ビタミンCに注目が集まった。

ビタミンCは強い抗酸化力を持つ水溶性ビタミンで、血液中で活性酸素を除去するはたらきがある。また、発がん物質を除去したり、ウイルスやがんの増殖を阻止するインターフェロンという物質の生成を促進する作用も。また、コラーゲンの合成にも欠かせない成分で、細胞と細胞をつなぐ結合組織を丈夫にし、体内に入ったウイルスが活動できないようにさせている。

健康にとってこんなに必要でありながら、ビタミンCは体内では合成されず、食品から補うしかない。体内にわずかしか蓄積されず、摂取後2~3時間で排泄されてしまうので、朝・昼・晩と回数を分けて摂取するようにしよう。

女性にとって嬉しい"C" 効果

ビタミンCは、免疫力アップだけでなく、体にとってさまざまなはたらきかけをしてくれる。その中でも、とくに女性にとってありがたい効果をご紹介しよう。

肌のハリを保つ

コラーゲンは細胞の接着剤としてはたらいているが、そのコラーゲンの生成に不可欠な成分がビタミンC。ビタミンCが欠乏すると肌のハリが失われる。

お通じをうながす

ビタミンCには腸内物をやわらかくし、排泄をうながす作用がある。ただし、過剰摂取すると下痢をすることがあるので要注意。

抗ストレス作用

ストレスがかかると副腎皮質ホルモンを分泌させて、全身の防御体制をととのえようとするが、その合成に貢献しているのがビタミンC。ストレスが多いとビタミンCもどんどん消費されてしまうので、補給を心がけたい。

ローズヒップの楽しみ方

ローズヒップの楽しみ方

ハーブティーにすると、甘酸っぱい味が楽しめるローズヒップ。ビタミンCのほか、ビタミンB群・ビタミンE、ビタミンA(b-カロテン)などのビタミン類を豊富に含んでいる。エキスの浸出を早めるために、すり鉢などで実をつぶしてから熱湯を注ぐとよい。相性のいいハイビスカスとブレンドしたり、ハチミツを加えたりしてもおいしく飲める。お茶を抽出した後の実は、ジャムやタルトの材料に使っても。

公開日:2005年2月28日