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生活習慣でわかる!あなたの余命はあと何年?

肥満に気をつけ、たばこやお酒はほどほどにし、定期的に運動を――などと言われても、「もう、耳にタコ!」と感じてしまう人が多いのでは?しかし、生活習慣病の芽は若いうちから生じるもの。「年をとってから気をつければいいや」とばかり、好き勝手に暮らしていると、寿命はどんどん縮まってしまう。2/1~2/7は生活習慣病予防週間。これを機に自分の生活を見直してみよう。

平均余命とは?おもな年齢別平均余命

平均余命とは、現在の死亡状況が今後も変化しないと仮定したときに、各年齢の人が、その後生存できると期待される年数のこと。ちなみに、「平均寿命」(生まれてから死ぬまでの期間)とは、0歳における平均余命のことをいう。

日本人の平均寿命は、世界でもトップクラスだ。厚生労働省の調査によると、平成15年は、男性が78.36歳、女性が85.33歳。女性は19年間連続世界1位となった。戦後まもなくの昭和22年では、男性が50.06歳、女性が53.96歳だったのに比べ、飛躍的に延びていることがわかる。理由として考えられているのは、淡白な和食文化や、戦後の経済成長とともに食糧事情が向上したことなど。

下は平成15年における、おもな年齢別の平均余命だ。さて、あなたの余命はあと何年!?

おもな年齢別平均余命

年齢平均余命
男性女性
0歳78.36年85.33年
10歳68.72年75.69年
20歳58.89年65.79年
30歳49.23年55.97年
40歳39.67年46.22年
50歳30.47年36.68年
60歳21.98年27.49年

寿命を8年も縮めている三大疾病!

だが、はたして日本人は今後も世界のトップレベルを維持できるのだろうか。肉食を中心とする、食の欧米化は進んでいる。喫煙率も男性が48.3%、女性が13.6%と、欧米に比べるとかなり高い(2003年JT調べ)。このままでは、せっかく延びた寿命はまた縮んでしまうかもしれない。

日本人の死因として最もよく知られているのが、三大死因。すなわち「がん」「心疾患」「脳卒中」などの「生活習慣病」だ。平成15年の厚生労働省調査によると、将来予想される各死因での死亡確率は、0歳、65歳、80歳のどの場合でも、この三大死因が男女とも全体の半分を超えている。

これらの疾病が死因にならないとしたときに、どのくらい命が延びるのかを計算したデータがある。三大死因すべてを合計すると、なんと男性で8.71年、女性7.9年も寿命が延びるのだ。つまり、これらの病気にかからないよう気をつければ、男女ともにかなり長生きすることができるはず、というわけだ。

●特定疾病で死亡しなかった場合の平均寿命の延び

【男性 8.71歳】【女性 7.90歳】
※平成15年厚生労働省「簡易生命表」による

生活習慣から余命がわかる!?

では、がんや心疾患、脳卒中をはじめとする生活習慣病を防ぐにはどうすればよいのだろう?予防法として、最も有名なのが、カリフォルニア大学のブレスロー博士による「7つの健康習慣」。日常生活において、気をつけるべき点を謳ったものだ。

ブレスロー博士による「7つの健康習慣」

  • 1. 適正な睡眠時間をとる(7~8時間)
  • 2. 喫煙をしない
  • 3. 適正体重を維持する
  • 4. 過度の飲酒をしない
  • 5. 定期的に運動をする
  • 6. 朝食を毎日摂る
  • 7. 間食をしない

あなたは何個当てはまっただろうか。いずれもとくに目新しさのない、簡単なものばかりだが、侮ってはいけない。下は該当する習慣の数による、年齢別の平均余命。年齢が若いほど、生活習慣によって余命に差が出やすいことがわかる。

該当する習慣の数による年齢別の平均余命

もしあなたが男性で45歳だった場合、○が0~3つだと66.6歳までしか生きられないかもしれない。これでは、生まれたばかりの可愛い孫を残してこの世を去ることになってもおかしくない。何より、これからの時代、66歳と言えばまだまだ現役だ。おおいに活躍しようというときに、志半ばで急逝――なんてことにも…。女性の場合でも73.6歳と、亡くなるにはちょっと早すぎる。

ところが、同じく男性45歳で、○が6~7つという場合は、78.1歳までは生きられそうだ。女性なら80.8歳。孫も無事成長し、子どもたちも親として落ち着きを見せている頃かもしれない。男性が75歳で、○が6~7つなら86.2歳、女性なら87.5歳まで生きられる計算となる。これならまず、大往生というところだ。

「生活習慣なんて、年をとったら気をつければすむこと」なんてタカをくくっているあなた。45歳にして、その差は歴然だ!死神が忍び寄ってくる前に、日ごろの生活を振り返ってみよう。

公開日:2005年2月7日