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知っておこう!熱中症の予防と応急処置

熱中症は、ちょっとした注意で防ぐことができます。熱中症予防のために、普段から心掛けておきたいことは?さっそく今日から試してみましょう。また、「熱中症かもしれない」と思ったら、まずまっ先にしなければならない基本中の基本をまとめました。いざというときのために、覚えておきましょう。

熱中症にならないために

スポーツドリンク

  • ●体調を整える
    睡眠不足や風邪ぎみなど、体調の悪いときは暑い日中の外出や運動は控えましょう。
  • ●服装に注意
    通気性の良い洋服を着て、外出時にはきちんと帽子をかぶりましょう。
  • ●こまめに水分補給
    「のどが渇いた」と感じたときには、すでにかなりの水分不足になっていることが多いもの。定期的に少しずつ水分を補給しましょう。特に夏場は汗と一緒に塩分が失われることを考えると、スポーツドリンクなどがおすすめです。
  • ●年齢も考慮に入れて
    体内の機能が発育途中の子供や、体力が衰えはじめた高齢者は熱中症になりやすい傾向があります。年齢を意識して、予防を心がけることも大切です。

熱中症になってしまったら

「熱中症かもしれない」と思ったら、まずまっ先にしなければならない基本中の基本をまとめました。いざというときのために、ぜひ、覚えておきましょう。

  • ●涼しい日陰やクーラーの効いた室内などに移動する
  • ●衣類をゆるめて休む
  • ●体を冷やす
    氷や冷たい水でぬらしたタオルを手足に当てます。氷や冷たい水がない場合は、タオルやうちわ、衣服などを使ってあおぎ、風を送って冷やしましょう。
  • ●水分を補給する
    このとき、水分だけではなく、汗によって失われた塩分も補給する必要があります。スポーツドリンクなどを少しずつ何回にも分けて補給しましょう。

ここまでは、自分でもできる応急処置です。軽い症状の場合はこれで良い場合もありますが、気分が悪くなるほどなら、ここから先は、周囲の人にサポートしてもらう必要があります。あなたの家族や友人・知人が熱中症になったときのことを考えて、ぜひ頭に入れておきましょう。また、レジャーなどにでかけるときは、タオルや冷たい水を入れた水筒、スポーツドリンクや日陰をつくれるようなパラソル、レジャーシートなどを持参しましょう。

●筋肉がけいれんしているなら(熱けいれん)

けいれんしている部分をマッサージします。また、体の特定の部分(例えば脚など)が冷えているなら、その部分もマッサージしましょう。

●皮膚が青白く、体温が正常なら(熱疲労)

心臓より足を高くして、あおむけに寝かせます。水分が摂れるなら、少しずつ薄い食塩水かスポーツドリンクを何回にも分けて補給します。

●皮膚が赤く、熱っぽいなら(熱射病)

上半身を高くして座っているのに近い状態で寝かせ、とにかく体を冷却します。首、脇の下、足のつけ根など、血管が皮膚表面に近いところを氷などで集中的に冷やします。氷がない場合は、水を体にふきかけ、風を送って冷やします。アルコールで体を拭くのも良いでしょう。このとき注意したいのは、体の表面だけを冷やしてふるえを起こさせないことです。

●意識がはっきりしない場合は

反応が鈍い、言動がおかしい、意識がはっきりしない、意識がない。こういった場合はすぐに救急車を呼びましょう。同時に、応急処置をします。また、意識がはっきりしない、もしくは意識がない場合の水分補給は厳禁です。吐いてしまった場合にのどを詰まらせないよう横向きに寝かせましょう。

●症状が回復しても必ず病院へ

回復したつもりでも体内に影響が残っていたり、再発のおそれもあります。熱中症になったら、回復した後でも必ず病院で診てもらいましょう。

回復後もしばらくは静かにすごそう

熱中症は、回復してしまえば終わり、というものではありません。一説によると、熱中症になった経験のある人は熱中症になりやすいともいわれています。

また、熱中症で体温が高くなると、大腸菌でつくられた内毒素が血液中に漏れ出て、体温が正常に戻っても体の抵抗力が弱まるという研究結果もあります。

熱中症になった後は、病院を受診して大事をとるとともに、しばらくの間は体をいたわる生活をする必要があるようです。くれぐれも「もう大丈夫」とばかりに、翌日からまた活発に活動をはじめる、なんて無謀なことをしないようにしましょう。

公開日:2003/08/11