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眠りの質を高めるコツ!眠りの環境にこだわろう

快眠の基本は、寝室の環境整備から。寝室の明るさや寝具の選び方を具体的にご紹介します。また寝つきが良くなるアイデア&グッズもいろいろあります。眠れないときに、ぜひお試しください。

眠る環境を整えよう

寝つきが良く、熟睡できるグッド・スリーパー(安眠型)の条件は、10分以内で寝つけ、一度眠ったら夜中に目覚めることがなく、寝つきが悪いと困ったことがない人だとか。とはいえ、この3つの条件を満たす人は社会人では25~30%ほど。多くの人が、どこかしら睡眠に悩みは持っていると考えて良いだろう。だが、その一方で、ちょっとした枕の高さとか、照明の具合、カーテンの色ひとつで快眠できることも少なくない。まずは、寝室をチェックして、安眠できる環境にしよう!

明るさ 理想は1~30ルクス。ホテルでフットライトだけを点けているときのベッドサイドが1ルクスだから、それを基準にしてみると良い。また直接、目などに当たらないほうが良いので、間接照明などを活用したい。
カーテンや寝具、小物の色 青は心をリラックスさせ、安らかな眠りへ誘う色。不眠治療にも良いといわれる。また、緑は目を休め、疲れをいやす色。こういった色から、自分が好きな色を選ぶと良い。ただし、濃い色は緊張感を高めるので要注意。またカーテンの厚さは朝日が感じられるくらいのものに。厚い遮音カーテンなどを使う場合は、少し開けて朝日が入る工夫を。
音への敏感さは個人差が大きいが、中高年の場合は50デシベルでほぼ起きるといわれる。ちなみに、壁の電気のスイッチを入れるパチッという音が約48デシベル。あまり気になるようなら、遮音カーテンを使うのも手だ。
室温 夏は25~28℃、冬なら18~22℃が理想的。エアコンなどで調節する場合は、空気の乾き過ぎにも注意。冬で暖房を入れて眠るなら、加湿器を使うなどの配慮を。
ふとん内の温度と湿度 ふとんの中は温度33℃、湿度55%が快適とされている。この温度が5℃上下しただけで深い眠りが約20%少なくなるとも。冬は寝る前に寝室はもちろん、ふとんの中も湯たんぽなどで暖めておく。夏は早めに冷房を入れて寝室やふとん内を冷やしておくと良い。
掛けぶとん 睡眠中は多くの汗をかき、体温も奪われやすいので保温性が高く、吸湿・発散性に富んだものがベスト。また、昔から「軽いコートを着たくなったら、ふとんも変えたほうが良い」といわれる。無理な短時間睡眠で体調をくずしやすくなる30代からは羽毛ふとんのような軽いものが良いようだ。
敷きぶとん or マットレス 人は自然に立ったとき、背中が緩やかなS字を描いている。この曲がり具合は4~5cm程度。寝ているときは、その半分の2~3cmくらい少し背筋が伸びている姿勢が良いとされる。つまり適度な固さが必要なのだ。また大きさも大切。特に身長が高い人は幅、長さともに余裕のあるサイズを選びたい。
シーツ ひと晩にかく汗の量はコップ1杯、約200ccといわれる。この汗のためにも通気性の良いものを。感触も安眠を左右することがあるので、好みの肌触りのものを選びたい。
敷き具を選ぶ際と同様、枕に頭をのせたときに、自然に立ったときの姿勢になるのが望ましい枕だ。一般的には沈み込んだときに高さが5~6cmのものが良いとされるが、これも個人差。今は多くの寝具メーカーで最適な枕の高さを測るサービスをしているので、一度測っておくのがおすすめだ。

パジャマを見直そう

スウェットの上下をパジャマがわりにしている、リラックスウエア兼用のカットソーの上下で寝ている…。そんな人も多いのではないだろうか。寝るときの衣類に求められるのは、通気性と保温性。その点では合格のものが多いだろうが、室内で快適に過ごせるものは、ふとん内では暑すぎることが多い。

パジャマは、ふとん内に入ったときに快適に眠れるように考えられている衣類なのだ。肌触りの柔らかで心地良いものを選べば、より快適に眠れるはずだ。

寝つきを良くするこんなアイデア&グッズも

良い寝室の環境はできた、疲れてもいる。なのに、なぜか眠れない…。こんな夜は、誰にでもあるもの。そこで、寝つきを良くするアイデア&グッズをご紹介しよう。ぜひ、お試しを。

ハーブティー 特にラベンダーやカモミールなどの鎮静効果のあるものを。
アロマテラピー

アロマテラピー

精神的な疲れで眠れないときはネロリ油やラベンダー油、カモミール油を。興奮や緊張し過ぎて眠れないときはマージョラム油を、枕の上かシーツに2~3滴たらして寝ると効果的。
抱き枕

抱き枕

抱きつくことによって精神的に安定して眠りやすくなるのだとか。最近は種類も増えているので試してみるのも良い。
ヒーリング音楽 リラクシング効果をうたったCDや、自然の雨や波、風の音を収録したもの、クラシック…。自分が心地良いと思える音楽を流しながら眠るのも効果的。
ゆったりぬるめのお湯に浸かる 赤ちゃんなどは眠くなると手足が暖かくなるものだが、これは睡眠に入るべく、体の中心の温度(深部体温)が下がるときに、体温が体の表面に放散されるため。大人も入浴で一度体表面の体温を上げ、その後の下がるのに合わせて寝床につけば眠りやすくなるのだ。このとき、ぬるめのお湯でなければいけない理由は、熱いお湯では深部体温まで上がってしまい、覚醒してしまうからだ。
冷えて眠れないなら足湯 冬は冷え性にとってつらい時期。足が冷たくて眠れない…というときは、熱めのお湯で足浴すると良い。
難しい本を読む&羊を数える 冗談のようだが本当。どちらも単調な刺激が睡眠中枢へ作用。眠りへと導く。
無理に眠ろうとしない 眠ろうとすることがプレッシャーとなって余計に眠れなくなることも。眠れないときは無理に眠らなくても大丈夫。
睡眠日記をつける これは米国スタンフォード大学の睡眠センターが考案した不眠解消法。まず睡眠時間を○時~○時と決めたら、眠れても眠れなくても習慣を維持する。次に睡眠日記をつけて、規則正しい生活習慣を定着させる。これだけでも不眠はかなり解消されるのだそう。
公開日:2002年11月25日