風邪は体内の優秀な免疫システムでしか治せません。では、免疫力を高めるためにはどうすれば良いのでしょうか。逆に免疫力が下がるのはどんなときかをご紹介します。
風邪には、世界でもさまざまな民間療法が昔から伝えられています。それらには、免疫力を高める上でも効果的なものが多いようです。
国名 | 風邪に良い食べ物 | 風邪に良い理由 |
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日本 | ショウガ湯、卵酒 | 酒こうじが、免疫細胞のひとつ「ナチュラルキラー細胞」の活性値を上げます。 ショウガは体を温めるため、免疫細胞のはたらきやすい状態が整いやすくなります。 |
アメリカ | チキンスープ | 良質のたんぱく質がアミノ酸に近い状態まで分解されるため、消化器官に負担をかけず、すみやかに細胞に吸収されやすいです。 |
イギリス | カレー | カレー粉に含まれる香辛料は、発熱・発汗作用に優れたものが多く、体を温めるため、免疫細胞のはたらきやすい状態が整いやすくなります。 特にウコンの強い抗酸化力が免疫細胞をサポートします(好酸球などの免疫細胞は、ウイルスを退治するために活性酸素を吹き出すが、その害をみずから受けないためには十分な抗酸化力が必要です)。 |
アフリカ | ヨーグルト | 増えた腸内の善玉菌が、免疫のはたらきをサポートします。 |
拍子抜けされそうですが、免疫力を高める基本のポイントは、十分な睡眠とバランスの良い栄養、そして新鮮な空気にあります。健康な体を維持するのと何ら変わらない3大要素です。つまり、体が元気であれば、免疫力も高いといえます。これに対して免疫力を低くする要素は実に多彩です。
これからは風邪は自分で治す!といった気持ちで、積極的に免疫力を高める生活を心がけるとよいでしょう。もちろん、だからといって痩せ我慢は禁物です。症状がひどいときには医師の対症療法を上手に組み合わせましょう。
要素 | 理由 |
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歯槽膿漏や虫歯 | 虫歯菌が胃や腸などに入って増殖すると、そちらに免疫細胞のはたらきが集中し、新しいウイルスが侵入したときにパワー不足になります。こうした可能性は早めのケアで解消しておいたほうが良いでしょう。 |
ストレス | ストレスによってアドレナリンなどが増えると、肝臓からたんぱく質やビタミン、ミネラルなどが排出されてしまい、新しい免疫細胞をつくる養分がなくなってしまいます。 |
バランスの悪い食事 | ストレスと同様に、アドレナリンなどが増え、新しい免疫細胞をつくる養分がなくなってしまいます。 |
夜ふかし | 免疫細胞も他の細胞と同じく、夜の間に古い細胞が死んで排除され、新しい細胞がつくられます。夜に寝ないと、この細胞の入れ替わりができにくいです。また、ふだんから体温が低く、風邪をひいても熱の出ない「陰虚症」体質になりやすいようです。 |
要素 | 理由 |
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笑顔 | ナチュラルキラー細胞の活性値は、笑っている間に上がります。冗談ではなく、免疫細胞にも「笑顔」は効果が大きいようです。笑いの多い生活を心がけましょう。 |
ビタミン、ミネラルたっぷりの食事 | 免疫細胞はたんぱく質、ビタミン、ミネラルをバランス良く必要とします。また、抗酸化力のあるビタミンCをはじめ、ビタミンB群は免疫力を高めるものです。B1~12までバランス良く摂りましょう。 |
白い野菜 | 大根、キャベツ、たまねぎ…。白い野菜は、多くの免疫細胞の活性化を高めます。 |
参考文献:「免疫学個人教授」多田富雄・南伸坊著 新潮社
「ウイルスの時代がやってくる」保健学博士 菅原明子著 第二海援隊