海藻類のなかでも、わりと身近な食品といえば、わかめやひじき。これらの食品には、食物繊維が豊富なのはもちろんのこと、ミネラル・ビタミンもたっぷり含まれています。どのくらい栄養価が優れているか、ちょっと見てみましょう。
水中で生きている植物を藻類といい、なかでも海に住んでいるものを海藻という。海藻は大きく分けると、3種類。体の色によって分けられている。
葉緑素を持ち、きれいな緑色をしたもの。マグネシウムや銅、アルミニウムなどが豊富。代表的なものは、あおのり、あおさ、みる、など。
葉緑素のほかにフコキサンチンと呼ばれる褐色の色素を持ったもの。茶色がかった緑色をしている。アルギン酸を豊富に含み、血中コレステロール低下や高血圧の予防に効果的。代表的なものは、わかめ、ひじき、こんぶ、もずく、ほんだわらなど。
葉緑素のほかにフィコエリトリンという赤色の色素を持ったもの。海藻の中では、それほどミネラル含有量が多くない。代表的なものは、あまのりやてんぐさなど。あまのりは、ビタミンA効力、ビタミンB、ビタミンCが豊富。
海藻類のなかでも、わりと身近な食品といえば、わかめやひじき。これらの食品には、食物繊維が豊富なのはもちろんのこと、ミネラル・ビタミンもたっぷり。どのくらい、栄養価が優れているか、ちょっと見てみよう。
食物繊維の含有率
資料:地方衛生研究所全国協議会による
出典:「健康食・体になぜいいの?(4)わかめ・ひじき」
辻 啓介監修 NHK出版
ひじきやワカメは、海藻類のなかでも食物繊維含有率がかなり高い。例えば、食物繊維を2g摂るために必要な食品の量は、ひじき(乾)なら4g、わかめ(乾)なら5gであるが、同じ量の食物繊維を野菜で摂ろうとすると、さつまいもなら86g、にんじんなら78gにもなるのだ。
海藻は効率よく食物繊維を摂れる食品なのである。
カルシウム、リン、カリウムなどのミネラルが豊富なのも、わかめやひじきの特徴。ひじきのカルシウムは、まいわしの丸干しやごまと同じくらい。普通の牛乳の10倍以上もあるのだ。
ただ、牛乳のほうが一度にたくさん摂れるため、カルシウムといえば牛乳、というイメージがあるのだが、いろいろな食品から摂るのがベストだと考えれば、ひじきやわかめも摂取したいものだ。
「エネルギー源となる栄養がない」=「食べなくてもよい」という考え方から現在は一転し、食物繊維やミネラルを含む、ノンカロリー食品であるという点を利用すると、ダイエットに最適である、と注目されている。わかめには、脂質がごくわずかしかなく、しかも食物繊維は胃の中で水分を吸収してふくらむため、満腹感が得られるのだ。
もちろん、わかめばかりを食べていては、エネルギーが摂れないのでダメ。ダイエットにはバランスが大切!
わかめといえばみそ汁に入れる、ひじきといえば煮物ばかりでは、ワンパターン。もっと別の食べ方はないの!?という方に、簡単なレシピを紹介。そのまま食べてもよし。炒めてもよし。
さて、あなたならどうする?