誰でも経験のある「ど忘れ」。初めのうちは「なんだっけ…、そうそう!あれだよ」なんて思い出せていたのに、だんだん思い出せなくなってきていませんか?ど忘れを「歳のせい」なんて思っていると、取り返しがつかなくなるかもしれません。
ど忘れとは、辞書によれば「当然知っているはずのことなのに、どうかした拍子に思い出せなくなる」こと。つまり、脳の記憶にエラーが起こった、ということだ。
誰にでも、「えーっと、あれなんだっけ…」という経験はあるはず。それがたまになら誰も気にしないが、あまりに続くと「最近、物忘れが激しい」となり、「どこか悪いんじゃないか」と気になってくる。本人は、「忘れるはずじゃない」と思っていたことなだけに、「ど忘れ」するとショックを受けてしまうのだ。
あなたは、こんな経験がないだろうか?
こんな場面で、Aのような回答なら、そう心配はない。でも、もしBのようなことがあなたに起こっているなら、それは注意が必要など忘れなのだ。
さて、人はどのように物事を記憶しているのだろうか。
人の記憶にとって大切なのは、五感。これが、脳への情報の入り口になっているからだ。
五感とは、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚のこと。そのなかでも、視覚、聴覚からの情報は膨大であり、それを処理する脳の部分も容積的に大きな量を持っている。
記憶には、「感覚記憶」「短期記憶」「長期記憶」の3種類ある。
この3つには関係がある。外部からの情報をまず、感覚中枢がキャッチし、感覚記憶となってとらえられ、それが短期記憶になる。これを繰り返すことで長期記憶になる、と言うわけだ。
脳に入ってくる情報には、大きく分けて2種類ある。
ひとつは、能動的な情報。自分が見たい、聞きたいと思って、積極的に受信しようとするものだ。もうひとつは受動的な情報。例えば、学校の授業など、それほど興味がない(?)ものがそうかもしれない。
このうち、受動的な情報は、あまり覚えていない。興味のないことは、いくら耳で聞いて目で見ても、なかなか記憶としては残らないのだ。さらに、覚えているためには、「努力」が必要である。どんなに関心があることでも、努力しなければずっと覚えていることはできない。
つまり、「感覚記憶」を「短期記憶」にするためには、まず五感を有効にはたらかせ、情報に対し能動的である必要があり、さらに「短期記憶」を「長期記憶」にするためには、繰り返し行動することが必要なのである。