疾患・特集

食は薬の代わりになる!?食べ合わせのいろんなタイプ

食べ物は、組み合わせることによってそれぞれが持つ力以上に効果を発揮することがある。でも、それぞれの食品には、得意、不得意がある。上手に生かせるよう、あなたの食生活を変えてみよう。

「ワカメの酢の物」は科学的な食べ物!?

食べ合わせと聞くと「天ぷらとスイカ」や「うなぎと梅干」のように、組み合わせるとよくないものが頭に浮かぶかもしれない。でも、食べ物には一緒に食べたほうがいいものもある
例えば、さっぱりとして口当たりのよい「ワカメの酢の物」。ワカメは栄養価の高い食品だが、じつはそれだけでは消化があまりよくない。ところが、酢をかけて食べると吸収率がアップする。このように、食べ物を組み合わせることによってそれぞれが持つ力以上に効果を発揮することがあるのだ!
これを上手に生かせば、あなたの食生活もぐんと変わる!?

食べ合わせのいろんなタイプ

たし算タイプ

レモンとグレープフルーツ

食べ物の性質や作用が似かよったものの組み合わせ。効果がたし算的に現れる。
例:レモンとグレープフルーツ(疲労・美肌効果)、大根とかぶ(胃腸活性効果)

かけ算タイプ

効果は同じでも、作用の違う成分を含む食品の組み合わせ。相乗的に効果が現れる。
例:煮魚としょうが(酸化防止作用)、ごぼうとたまねぎ(高コレステロール血症の改善)

ひき算タイプ

片方の食品の有害な部分や体にかかる負担を減少するはたらきがある組み合わせ。
例:冷奴とネギ(体を冷ますものと温めるもの)

食は薬の代わりになる!?

人は食べることなしでは生きられない。その食をおろそかにすると、生活習慣病をはじめとするさまざまな病気にかかってしまう。が、糖尿病や高コレステロールで困っていたとしても、食生活を見なおせば、薬に頼らなくてもかなり改善されるのだ。

ところで、天然の食物は、ビタミンやアミノ酸、必須脂肪酸など体のなかでつくることができない栄養を含んでいる。これらの栄養素は人体のさまざまな機能を調節するはたらきがあるため、かかせないものだ。サプリメント類でこれらの栄養を補給することもできるが、やはり食べ物そのものから吸収したほうが有効性が高いという事例も発表されている。
正しく食べれば薬にもなり、健康な体がつくられるというわけ。食生活を見直すチャンスかも!?

食の基本をおさらい!食べ物の得意・不得意

それぞれの食品には、得意、不得意がある。これらを上手に組み合わせることで、それぞれがもつ良さがさらにパワーアップするのだ。基本的なことではあるが、一度おさらいしてみよう。

食べ物の得意・不得意

種類 得意 不得意
野菜類 野菜によって差こそあるものの、ビタミン類や食物繊維が豊富。カルシウム、カリウムなどのミネラル類も含まれており、低カロリー。 ビタミン、ミネラルを摂取するには、かなりの種類・量を食べなければならないこと。また、野菜によってビタミン・ミネラルの差が大きいため、きちんと摂取するには、かなりの知識が必要。
肉類 高たんぱく質、高エネルギー。必須アミノ酸が多く、鉄分・ビタミンB群も含まれる。特にレバーはビタミン・ミネラルが豊富 とり過ぎると高コレステロールになる。ビタミンCや食物繊維はほとんど含まれていない
魚介類 青魚の脂肪にはEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)などの不飽和脂肪酸が多く含まれている ビタミンCはほとんどない。一部の魚を除き、ビタミンAもほとんどない。貝類はコレステロールが高い
海草類 食物繊維が豊富。カルシウム、マグネシウム、カリウム、鉄、マンガン、亜鉛、銅などのミネラルも豊富。 エネルギー源にはなりにくい。のり以外はビタミンCはほとんどない。

参考文献:「食べあわせ健康法」増尾清著 農山漁村分化協会

公開日:2001年3月12日