疾患・特集

あなたの眼はドライアイ?「ドライアイ」のウソ・ホント

ドライアイは、本来自分では気がつきにくい病気です。あなたは「ドライアイ」のことをどれだけ知っていますか?

Q1「ドライアイ」とは、涙の量が減少して眼に異常がある症状のことである。

Q2 涙は泣いたり笑ったりするときにのみ出るものである。

Q3 涙は出ていてもドライアイの症状が出ることがある。

Q4 ドライアイの症状で眼が疲れることはない。

Q5 パソコンを使う人はドライアイになりやすい。

Q1「ドライアイ」とは、涙の量が減少して眼に異常がある症状のことである。

まさにその名の通り、ドライアイとは涙の量がなんらかの異常で減少し、その結果として、眼の表面の粘膜が障害を受けた状態のことをいいます。医学用語では、涙液分泌減少症や、乾性角膜結膜炎などと呼ばれている病気です。
ドライアイは、本来自分では気がつきにくい病気です。涙の量が少ないからといって病院に行く人はあまりいません。ですが、放っておくと失明する危険もあるので軽視してはいけません。次のような症状がある人はドライアイの可能性もあるので注意しましょう。

  • 眼が疲れやすい
  • 眼が痛い
  • めやにが多く出る
  • 何もしていないのに涙が出る
  • 眼がゴロゴロする
  • 視界がかすむ
  • 眼が乾いた感じがする
  • 何となく眼がかゆい
  • 重たい感じがする
  • 光がまぶしく感じる
  • 何となく眼に不快感がある
  • 何故か眼が赤い

というわけで、正解は「ホント」

Q2 涙は泣いたり笑ったりするときにのみ出るものである。

人が泣いたり笑ったときに出る涙は反射性のものです。それ以外に、眼を開けているときには常に分泌されている基礎的な涙があります。この涙は眼、つまり角膜を保護するのに欠かせない役割を果たしています。
涙の層は油層、涙液層、ムチン層と呼ばれる三層から成っており、いちばん外側にあるのが油層です。この層のおかげで水分の蒸発が防がれています。油層の下が涙液層であり、これが涙と呼ばれるものです。涙液層は涙全体の厚さの約90%を占めており、この涙液層の減少がいわゆるドライアイです。さらに、その下のムチン層は、涙を角膜の表面にはりつかせるはたらきがあります。この三層のうち、ひとつでも異常が起きるとさまざまな障害を生じてしまうのです。
涙には酸素や栄養分を角膜に行き渡らせたり、異物が眼のなかに入ってきたときに洗い流したり、殺菌作用によって細菌感染を防ぐなどの大切な役割があります。

というわけで、正解は「ウソ」

Q3 涙は出ていてもドライアイの症状が出ることがある。

本来、ドライアイとは涙の量が少なくなる病気です。人によって涙の量に差はあるものの、ある程度の涙があれば、眼の表面は保護されます。
ですが、ドライアイの症状が進行すると、常に眼の表面を保護している基礎性の涙が出なくなるため、眼に痛みを感じ、その痛みにより常に刺激を受けるため、刺激性の涙が常にでることがあります。つまり、ドライアイなのに常に涙で潤んでいるというわけです。自分ではなかなか気づきにくく、眼科医など専門の所ではじめてドライアイだと診断されることもあるくらいです。
この症状がさらに進行すると泣いたり笑ったりしたときに出る反射性の涙さえ出なくなり、本当に眼が乾いた状態になり、たとえ眼に異物が入ったとしても涙で洗い流すことができなくなってしまうため、非常に危険です。

というわけで、正解は「ホント」

Q4 ドライアイの症状で眼が疲れることはない。

疲れ眼の原因の約50%~60%はドライアイだといわれています。一般的なドライアイの症状は眼が疲れやすい、眼が重い、眼がごろごろする、眼が痛い、などが挙げられます。病院へ行く人のうち、眼が乾くという症状を訴える人は少なく、眼が疲れるとか眼が重いといった症状を訴える人が実はドライアイであることが多いようです。
ドライアイになる要因はいくつかありますが、そのなかでシェーグレン症候群と呼ばれる自己免疫疾患があります。これは、眼や口などが乾燥したり、唾液が出ずに食べ物が飲み込めないという症状で、特に40代からの女性に多く見られます。自己免疫疾患とは、本来自分を守るはたらきをする免疫機構に障害が生じ、自分を攻撃してしまう病気です。このシェーグレン症候群は、涙腺や唾液腺を攻撃し、涙や唾液の量を減少させてしまうため、眼にはドライアイの症状が生じてしまうのです。
そのほかにもドライアイになる要因があります。Q5をご覧ください。

というわけで、正解は「ウソ」

Q5 パソコンを使う人はドライアイになりやすい。

人の眼はまばたきをすることで涙の分泌を促進します。普通は1分間に約10回~20回のまばたきをするといわれていますが、パソコンを扱うなどいわゆるVDT(Visual-Display-Terminals)作業をする場合には半分以下に減少するといわれています。まばたきをしない分、眼が乾きやすくなってしまうためドライアイになりやすいのです。
また、冷房・暖房のついた環境にいるとき、車を運転するとき、飛行機に乗るとき、睡眠不足のとき、ストレスを感じるときなど眼が乾きやすくなります。さらに、コンタクトレンズを使用しているときも涙の量は減少しやすくなります。

というわけで、正解は「ホント」