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見過ごしていませんか?ご家族の軽度アルツハイマー型認知症

年齢による「もの忘れ」だと思っていたら…

年をとると忘れっぽくなる人が多いということは、一般的によく知られています。そのため、ご家族に多少の変化がみられても、「もう年だし、ただのもの忘れだろう」と気にされないことがあります。しかし、実際には「軽度アルツハイマー型認知症」が見過ごされている可能性があります。次の症状の中に、ご家族に当てはまるものがないかチェックしてみましょう。

軽度アルツハイマー型認知症でみられる主な症状

以前と比べて、次の症状がよくみられるようになります。

  • □ 物をなくしたり、普段とは違う場所に置き忘れたりする
  • □ 約束を忘れることが多い
  • □ 同じ質問を繰り返す

軽度アルツハイマー型認知症でみられる主な症状

対策を十分に検討するために大切なのは、軽度のうちに発見すること

アルツハイマー型認知症の患者さんと暮らす介護者さんは、患者さんご本人の心配ばかりをしがちです。しかし、介護生活による精神的な負担や、治療費をはじめとした経済的な負担など、介護者さんご自身の暮らしにも影響が及ぶことを知っておく必要があるでしょう。結婚や転勤に伴う転居や、お子さんの受験、また他のご家族の病気など、思い通りに介護ができない状況になることも考えられます。

「もっと早く準備をしておけば…」と悔やまないために大切なのは、早めに情報を集め、対策を講じることです。軽度のうちにアルツハイマー型認知症を発見できれば、病状が進行するまでの間に、対策を十分に検討することができます。ご家族の変化に気づいたら、早めに医療機関で相談することが望ましいと言えます。

「軽度でみられる主な症状」にあてはまったら、まずは医療機関へ!

認知症の検査には、主に次のようなものがあります。忘れっぽくなったというご自分の変化について、患者さんご本人が不安に思っている場合もあります。不安を払拭するためにも、早めに医療機関に連れていってあげると良いでしょう。

認知症の主な診療/検査

  • ●症状の確認
    高齢者が自動車運転免許を更新する際の検査のように、「もの忘れ」などの症状について、いくつかの質問を通して患者さんご本人や介護者さんに確認します。
  • ●血液検査
    一般的な健康診断のように注射で採血をして、いくつかの検査項目から、認知症である可能性を調べます。
  • ●画像検査
    磁場や電磁波を用いて脳の写真を撮る「MRI」や、放射線を発する薬剤を用いて脳の血流状態を画像化する「SPECT」(スペクト)などで、脳を調べます。

その他の脳の画像検査についても現在、研究開発が進んでいます。
※どの検査が行われるかは、医師の判断によって異なります。

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公開日:2014年10月23日