疾患・特集

関節リウマチ闘病記 病気と仲良く、うまく付き合う(50代・女性)

古野さん(仮名)  55歳女性・薬剤師、名古屋在住(発症年齢30歳)

取材場所までオートマ車を運転してきたという古野さんだが、調子が悪い日はハンドルを切る動作がツラいときもあるという。しかし、 「家にこもっているだけだと気が滅入るでしょ。病気を発症してから長く経つので、自分の体調と相談しながら、仕事をしたり趣味を楽しんだりして、夫と二人で暮らしてますよ。」 と、関節リウマチが発症してから25年経った現在の生活について話してくれた。
※症状・治療・経過などには個人差があります。
インタビュアー:healthクリック編集部(取材日:2009年10月初旬)

働くときは「病気と仲良く」という気持ちで

―― 仕事をされているそうですが、ご職業は何ですか?

古野さん:
ドラッグストアの薬剤師で、接客業をしています。朝のこわばりがあって朝はスムーズに動けないんですが、夕方には調子が良くなってくるので、普段は16時から21時まで働き、土日だけ朝から働くようにしています。

―― 立ち仕事だと、からだがツラくないですか?

古野さん:
私は、右膝に一番ひどい症状を抱えているので、立っていると、きつく感じるときもありますよ。だけど、あまり重い荷物を持つような作業がないので、合間をみて座ったりしながら、日々「病気と仲良く」という気持ちで働いています。
若いときは、この病気になってとても嫌で周囲には知らせていなかったけど、40代~50代になったら、病気のことを周囲の人にも話せるようになりました。

情報交換の場を大切に

―― 病気について、患者さん同士でも話し合う場をもっていますか?

古野さん:
昔は、通院している大学病院の待合室で情報交換していました。長い待ち時間の間に話をして友達になったり、体調について相談すると結構いいアドバイスがもらえることもあって、楽しかったですね。今は予約制になったので、同じ病気をもった患者さんにもなかなか会えなくなりました。

―― 「日本リウマチ友の会」などの患者会に参加することはないのですか?

古野さん:
関節リウマチは膠原病のひとつなので、私は「膠原病友の会」に参加しています。そこで催される勉強会、食事会、運動を兼ねた日帰り温泉などに行ったことがありますが、そういう場所で情報交換するのもいいと思いますよ。患者さんの家族が同伴できる催しもあるので、一緒に参加すれば家族にとっても関節リウマチを理解する、いい機会になると思います。

病気になっても考え方しだいで生活は変わる

―― 趣味を楽しんでいると伺いましたが、具体的にどのような趣味をおもちですか?

古野さん:
野菜作りに挑戦したり、同じ年代の人が集まって気軽に楽しみ、あまり動かなくてもプレイできる卓球をしています。昔、体調が良かったときは、毎日卓球の練習をして、試合に出たこともあるんですよ。今はさぼり気味で、週に1回通う程度ですが。

―― からだは大丈夫なんですか!?

古野さん:
大丈夫です。「自分がどれくらい動くと、体調がどうなるか」ということが、だんだんと分かってきましたから。症状には個人差があると思いますが、同じ病気をもつ友達の話を聞いていても、「今日頑張ったら明日は休む」というようにコントロールしているようです。
ただ、「病は気から」と、体調が悪いのに無理することには反対です。「体調がいいからこそ、やる気が出てくる」のだと思います。

―― 今回は取材にご協力いただき、本当にありがとうございました。最後に、ユーザーの方へのメッセージをお願いします

古野さん:
私は「病気になってマイナスなことしかない」と思うのは嫌だから、「この病気になったことによって友達が増えた」とか「同じ病気の方にアドバイスができる」などと考えるようにしています。
実際、ドラッグストアで働いていても、腰が痛いと言っているお客さんの気持ちが、病気になる前よりも理解できるようになりました。
以前、患者会の催しに参加したときに、昔よりも随分若い人が増えたなと感じたのですが、そういう若い人達にも、前向きな考えをもって関節リウマチと向き合ってほしいですね。

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