主婦の病気と呼ばれることのある「関節リウマチ」を知っているだろうか。
関節リウマチは、関節のつなぎ目部分を覆っている滑膜という薄い膜に炎症が起こり、関節の痛み、腫れ、変形といった症状が現れて、関節の機能が徐々に障害されていく病気だ。
人には、体内に侵入してきた有害な物質を攻撃して排除し、からだを守ろうとする免疫というシステムが備わっている。
関節リウマチは、このシステムに異常が起こり引き起こされるが、なぜ異常が起こるのか、その原因は未だはっきりしていない。
フランスを代表する印象派の画家ルノワールも、関節リウマチを患っていた一人。左手が変形していながらも絵を描き続けていたことは有名な話だ。
…など
日本には、関節リウマチの患者さんが約70万人いると推定され、なかでも、女性患者さんの数は男性の約4倍にものぼる。また、高齢者の病気だとイメージしている人もいるが、実は、30代~50代の働き盛りの女性に発症することが多い病気なのだ。主婦の病気と言われるのは、こうしたことが理由となっている。
関節リウマチは、進行すると日常生活に支障をきたすようになる。女性にとっては、関節の変形のためにネックレスや指輪ができない、人前に出たくないなど、外見上の悩みにつながることもある。また、肺や心臓などに炎症が現れたり、重篤な患者さんでは寝たきりになってしまうこともあるのだ。
さらに、これまでは、治療によって痛みや腫れなどの症状を和らげることはできるが、風邪のようにすっかり治ることのない「怖い病気」というイメージが強かった。 しかし、近年の研究や新しい治療薬の開発、承認により、関節リウマチの治療に新しい展望がみえはじめた。