疾患・特集

データから浮かび上がる、うつ病患者の姿

当サイトでは「うつ病」の方を対象にアンケートを実施し、多くの方から回答を頂きました。今回は結果の一部として、受診のきっかけや医療機関、薬について報告いたします。回答にご協力いただいた皆様、大変ありがとうございました。

うつ病であることを周囲に打ち明けていますか?

グラフ:うつ病であることを周囲に打ち明けていますか?

うつ病であることを周囲に打ち明けていると答えたのは、回答者のうち約7割。男女別に見ると男性83%、女性65%と、男性の方が高い結果となりました。「いいえ」の理由として「派遣社員という立場上、うつ病と知られるとクビになるかもしれないので打ち明けられない」という回答が女性に多く見受けられ、解雇の不安が病気を周囲に打ち明けることの妨げになっていることがわかります。

ほかにも「弱い人間だと思われるから」「まだまだ偏見があるから」といった回答も多く、周囲との人間関係がうまくいかなくなることを恐れて打ち明けられない人が多いようです。

最初に受診したきっかけは?

グラフ:最初に受診したきっかけは?

最初にうつ病の診断のために受診したきっかけとしては、1位「自分自身で疑いを持って」(53%)という結果となり、うつ病に関する医学的な情報が浸透していることがうかがえます。
2位「友人、家族の助言で」(21%)、3位「違う病気で通院した際に診断された」、4位「その他」(10%)、5位「勤務先の産業医のすすめで」(4%)と続きます。そのほかの内訳としては「上司の紹介で」「職場の先輩にすすめられた」など、勤務先関係が目立ちます。

今かかっている医療機関について教えてください

グラフ:今かかっている医療機関について教えてください

現在の通院先が1つめと回答したのは、47%。2つめ(27%)、3つめ以上(25%)をあわせると5割を超え、多くの人が治療を続ける途中で通院先を変更していることがわかります。
現在の通院先を選んだ理由としては、1位「通院・通勤に便利だから」(38%)、2位「ネットで情報を検索して」(22%)、3位「クチコミ」(16%)となり、そのほかの理由として「産業医、会社の紹介」「遅くまでやっているから」「最初のクリニックの紹介で」などが挙がりました。

診療科は「心療内科」が最も多く(46%)、2位「精神科」(37%)、3位「その他」(8%)、4位「神経科」(6%)で、そのほかの内訳として耳鼻咽喉科、甲状腺科、内科などが挙がっています。
また治療期間は1位「2年以上」(47%)、2位「1~2年」(17%)と、6割を超える人が1年以上通院を続けていることがわかりました。

現在処方されているのはどんな薬ですか?

グラフ:現在処方されているのはどんな薬ですか?

現在処方されている薬は1位が「SSRI」(47%)、2位「その他」(16%)、3位「三環系抗うつ薬」「SNRI」(15%)、5位「四環系抗うつ薬」(4%)で、この比率は治療期間や診療科による大きな違いは見られませんでした。また、今回の設問では1つの薬剤しか選べない設定としていましたが、回答者の指摘により、複数の抗うつ剤を併用しているケースも多いことがわかりました。

処方薬への満足度については「医師の判断にまかせる」という回答が最も多く(148人)、「効果を実感できない/違う薬剤に切り替えたい」(80人)、「満足している」(74人)、「新薬が出たら試してみたい」(50人)と続いています(複数回答可)。