疾患・特集

女性ホルモンが健康な男のカギ!?

男性ホルモンが多いとか少ないとか、女性ホルモンが足りないとか…。あなたは、ふだんの生活の中で口にすることがあるだろうか?いつも体内をめぐっているものでありながら、あまり意識することのなかった男性ホルモン・女性ホルモン。それが近ごろ、美容と健康の両面から話題を集めている。なかでも気になるのが、前立腺肥大や更年期障害、骨粗しょう症といった病気への影響。男性ホルモン・女性ホルモンは、健康に過ごす上で見逃せない大切なポイントのひとつだったのだ。

男性ホルモンと女性ホルモン

「男性ホルモン」「女性ホルモン」が、体内でどんなはたらきをしているかを見てみよう。

男性ホルモンのはたらき

  • 男性特有の筋肉質な体のラインにする
  • たんぱく質を筋肉や内臓に変える助けをする
  • 皮脂の分泌を促す
  • 体毛の発育を促す
  • 性欲を高める

女性ホルモンのはたらき

  • 女性特有の丸みをおびた体のラインにする
  • 女性の生理や妊娠をコントロールする
  • 肌や髪を美しく保つ
  • 骨を丈夫にする
  • 自律神経を安定させる
  • 記憶力を保つ
  • 食欲を抑制する

「男性ホルモン」「女性ホルモン」は、男性・女性それぞれ特有の体格や体質づくりばかりでなく、他にもさまざまなはたらきをしている。特に皮脂の分泌を促す、記憶力を保つといったはたらきは、性別を超えて見逃せない大切な役割と言えるだろう。実際に、男性のカラダの中でも女性ホルモンが、女性のカラダの中でも男性ホルモンがつくられ、分泌されているのだ。

もちろん量は大きく違う。男性の体内でつくられる女性ホルモン量は女性の約半分。女性の体内で一生の間につくられる女性ホルモン量がスプーン1杯程度といわれているから、男性は一生でスプーン半分くらいといったところだろう。
一方、女性の体内でつくられる男性ホルモン量は男性の約1/10。健康な男子が1日に分泌する男性ホルモン量は約7mgといわれるので、1日約0.7mg程度の計算になる。
量はごくごくわずかだが、男女ともに、両方のホルモンが必要とされ、つくりだされているのだ。また、こんなわずかな量で、記憶力を保つはたらきまでこなすのだから、その影響力は実に大きい。

女性ホルモンとともに注目される“イソフラボン”とは?

大豆イソフラボン

性別を超えて、誰もが必要とする男性ホルモンと女性ホルモン。その中でも熱い話題となっているのが、女性ホルモンだろう。女性ホルモンは当初、肌や髪を美しく保つはたらきから美容界で脚光を集め、医学界では更年期障害の治療法のひとつとして注目されるなど、女性への効能に着目されることが多かった。だが、研究が進むにつれて、前立腺肥大といった男性特有の病気に対しても良い影響があることがわかり、さらにはがんや高血圧といった生活習慣病にも好影響があることがわかってきている。

その一方で、ホルモンそのものを投与することのカラダへの影響の大きさから、より自然な形で女性ホルモンのはたらきを体内に取り込む、つまり女性ホルモンに似たはたらきをする食べ物などを積極的に摂ることで、女性ホルモンのはたらきを助ける方向に、考え方がシフトしてきている。

実際、大豆や葛の根、クローバーなどには女性ホルモンに似たはたらきをする成分が含まれていることがわかっている。なかでも、ふだんよく口にする大豆に含まれている女性ホルモン様成分「大豆イソフラボン」は、身近さの点からも注目され、人気を集めている。また、研究も進み、大豆イソフラボンの健康への好影響もいろいろ解明されてきている。