健康診断で受ける血液検査。「LDL」「HDL」並んだ数値を前に、「よくわかんないから、まーいいや」と気にせず過ごしていないだろうか?約1分で全身をめぐる血液には、どこにどんなトラブルが起こっているかという情報が取り込まれている。いわば体の回覧板のようなもの。その血液の状態から、体にトラブルが生じているかどうかチェックすることができるのだ。
血液の状態を知るために、日頃から行いたいのが、「顔」で調べるセルフ健康診断。あなたの「顔」の状態から、血液の状態がわかるのだ。毎朝、鏡を見るときに簡単にチェックしよう。
顔がむくむ | 腎臓などの血管に動脈硬化が起こっているせいかも?朝起きたとき、手の指が腫れていたら注意してみよう。 |
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顔色が青白い・まぶたの裏が白い | ヘモグロビンが減少している状態。貧血の可能性が大きく、消化器潰瘍の疑いも。 |
顔色が赤い | 赤血球が多すぎ。血液が濃くなると、凝固しやすくなる。心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まる。 |
目の周りが黄色い | 血液中のコレステロール、中性脂肪多し。心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクも高い。 |
舌の表面が赤く、つるっとした感じ | 赤血球に異常、悪性貧血の疑いあり。 ビタミンB12、葉酸不足の可能性も。 |
吹き出物が出やすい | 血液中にブドウ糖が増え、抵抗力が低下しているせいかも。糖尿病の心配もあり。 |
耳にしこりがある | 耳穴周りの貝殻上の部分にあらわれれば、血液中の尿酸濃度が高いかもしれない。 |
もちろん、健康診断でわかる血液検査での値は、自分の血液の状態、ひいては体の状態を知るために見逃せない重要な情報。それぞれの項目の見方を知っておき、血液の状態をチェックしよう!
この値が高く、なおかつ活性酸素によって酸化が起こった場合は、悪玉コレステロール増加の危険が。動脈硬化を招きかねないので気をつけよう。
善玉コレステロール値のこと。動脈硬化リスクを下げてくれる。
血液中のブドウ糖量を指す。腎臓から血糖が尿の中にあふれてしまうと糖尿病へと発展していく。
この値が高い場合は、高血糖状態が以前から続いている可能性あり。
心臓と肝臓に多く含まれた酵素のこと。数値が高ければ、心筋梗塞や肝機能障害の疑いあり。
肝機能にかかわる酵素。GOTとともに高ければ、肝機能障害の可能性はますます大きいので気をつけて。
脂質 | 総コレステロール(mg/dl) | 140~219 |
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LDLコレステロール値 (mg/dl) |
60~139 | |
HDLコレステロール値 (mg/dl) |
(男性)40~99 (女性)50~109 |
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中性脂肪(TG)(mg/dl) | ~150未満 | |
血糖 | 空腹時血糖値(mg/dl) | ~110未満 |
ヘモグロビンA1c(%) | ~5.8 | |
尿酸 | 尿酸値(mg/dl) | ~7.0 |
肝機能 | GOT(AST)(IU/I) | ~35 |
GPT(ALT)(IU/I) | ~35 | |
γ-GTP(IU/I) | ~55未満 | |
血液一般 | ヘモグロビン(血色素量) (g/dl) |
(男性)13~16.6 (女性)11.4~14.6 |
血小板数(PLT) (万個/mm3) |
13.0~34.9 | |
血圧 | 収縮期圧(mmHg) | 90~139 |
拡張期圧(mmHg) | 90未満 |
参考:日本人間ドック学会
肝機能に異常をきたしているときは、アミノ酸を分解するγ-GTP、糖を分解するLDH、たんぱく質を分解するLAPも高くなる。標準値を超えている場合は気をつけよう。
ただし、基準を上回らなければそれでよいというものではない。例年との違いがあれば、要警戒!毎年の検査結果は必ず保管しておき、年に一度、健康診断の結果が出たときにだけでも前年の結果を引っ張り出して比較しておこう。