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極端な「寝すぎ」はNG!食事や運動で疲労回復するコツ

コツ1:筋肉の疲れや、軽いストレスが原因の疲労なら、体を動かしてみよう

スポーツをした後や、肉体労働をした後の筋肉の疲れ。一刻も早くお風呂に入って、一杯飲んで…と思うところだが、ちょっと待って!筋肉にたまった乳酸を、早く除去させるためには、さらに“軽めの運動”を行なうとよい。10分程度のウォーキングやストレッチなどで血流がアップすると、筋肉付近の毛細血管にたまった乳酸が再び心臓に向かって送り出されるからだ。このように、運動後、軽い運動をして疲労回復を図る方法を積極的休養(アクティブレスト)という。

“軽めの運動”は、逆に全く体を動かしていないような場合の疲れにもおすすめ。OA仕事など、長時間同じ姿勢をとり続けると、全身の血行が悪くなってしまうが、僧帽筋など一部の筋肉だけは、ずっと緊張しているので、やはり乳酸がたまっている。軽く動いて乳酸を筋肉から追い出そう。
また、運動することで呼吸が活発になり、新鮮な酸素がどんどん脳に送られる。どんよりしていた脳がスッキリと目覚め、軽いストレスも解消されるだろう。
「週末はゴロ寝」と決め付けず、公園を散歩したり、サイクリングしたり、体を適度に動かす習慣を!

コツ2:極端な「寝すぎ」が、疲労スパイラルの原因に

「疲れた→休養をとる(寝る)」というのは、最もベーシックにして正しい疲労回復方法のひとつだ。疲れを感じたら、体のアラームに従って睡眠をとるようにしたい。
ただ、週末の極端な寝だめにはご用心。私たちの体内時計は朝の起床時間を起点として動いているので、いつもより3時間遅く起きると、就寝時間も3時間遅くなる。その結果、日曜日の夜に早く眠れず、結局月曜日から睡眠不足でグッタリ…というのは、経験上よくご存知のはず。ウイークデーの睡眠不足を週末に取り戻そうとする人が多いが、週末の寝坊は+1時間程度に抑え、足りない分は30分程度の昼寝で補うようにしよう。

コツ3:食事でエネルギーを補おう

「忙しくて、きちんと食事の時間を確保できない」という人も多いだろう。でも、疲労回復に栄養補給は必須条件だ。 肉体疲労で消耗したエネルギーを、手っ取り早く補給したいなら炭水化物(糖質)を。脳にとっての唯一のエネルギー源も、炭水化物から作られるブドウ糖。疲れた時に甘いものが欲しくなるのは、脳と体にとって理にかなっている。筋肉の乳酸を分解するためには、クエン酸がおすすめ。そのほか、疲労回復に役立つ栄養素は下表のとおり。
簡単だからとインスタント食品ばかり食べていると、栄養が偏ったり、大切なミネラル成分を失う原因となるので気をつけて。サプリメントを利用するなら下記の成分のほか、マカなども試してみては?また、カフェインも体からビタミンやミネラルを排出させるはたらきが。疲れたときのコーヒーや紅茶はおいしいが、飲みすぎはやめよう

注目成分 はたらき 食材
ビタミンB1 エネルギー代謝や筋肉に蓄積された乳酸の代謝に関わる 豚肉、ウナギ、大豆など
大豆
カリウム 筋肉を収縮させるはたらきがあり、不足すると脱力感・倦怠感が発生 発芽米、ヒジキ、アボカドなど
ビタミンC 抗酸化作用で免疫力を高める カボチャ、ホウレン草、イチゴなど
イチゴ ホウレン草
ビタミンE 抗酸化作用で免疫力を高める カボチャ、ホウレン草、ウナギ、アーモンドなど
カボチャ
セレン 抗酸化作用で免疫力を高める イワシ、ネギ、牛肉など
カロテン 抗酸化作用で免疫力を高める カボチャ、ニンジン、ホウレン草など
カボチャ
コエンザイムQ10 体内のエネルギー産生を高める イワシ、サバ、豚肉、牛肉など
亜鉛 細胞を強化し、免疫力を高める カキ、牛肉、牛乳など
牛乳 カキ
マグネシウム 食べたものが代謝されてエネルギーに変換されるときに必要 アーモンド、カツオ、大豆、アズキなど