疾患・特集

抗酸化力+α…ポリフェノールはWではたらく!

ポリフェノールの「抗酸化力」はとても強力で、体にダメージを与える活性酸素を除去し、生活習慣病や老化の予防にはたらいてくれます。ポリフェノールの中には、強力な抗酸化力のほかに、独自の効力を持つものも。ポリフェノールが持つ独自の薬効をご紹介します。体の調子にあわせて、自分に合ったポリフェノールを選んで摂るようにするといいでしょう。

ポリフェノールの抗酸化力は、とても強力!

すべてのポリフェノールに共通する特長といえば、「抗酸化力」です。体にダメージを与える活性酸素を除去して、生活習慣病や老化の予防にはたらいてくれます。

しかも、ポリフェノールの抗酸化力は、とても強力です。 ビタミンC、Eやβカロテンなども抗酸化作用があることで知られていますが、ビタミンCは細胞の間の水溶性部分、ビタミンEやβカロテンは細胞内の脂溶性部分で抗酸化作用を発揮するというように、それぞれはたらく場所が限られています。ところがポリフェノールの場合は、細胞間をメインに、細胞内でも、さらには細胞膜上でも力を発揮することがわかっているのです。
活性酸素によるダメージを最も受けやすいのは細胞膜の部分であり、そこも含めてオールラウンドに抗酸化作用を発揮するポリフェノールには、大きな期待が寄せられているというわけです。

各ポリフェノールが持つ独自の薬効の例

+αの薬効に注目!

ポリフェノールの中には、強力な抗酸化力のほかに、独自の効力を持つものもあります。体の調子で気になるところがある場合は、それぞれのポリフェノールが持っている+αの薬効をチェックし、自分に合ったものを選んで摂るようにするといいでしょう。

各ポリフェノールが持つ独自の薬効の例

アントシアニン ぶどう、ブルーベリーなど 視力を向上させる、眼精疲労を和らげる、肝機能を強化する
カテキン 緑茶など 血中コレステロールを抑制する、高血圧を予防する、虫歯・口臭を予防する、殺菌作用
カカオマスポリフェノール ココア、チョコレートなど ストレスを抑制し、疲労回復にはたらく
ウーロン茶ポリフェノール ウーロン茶 脂肪の分解を促進する
ルチン そばなど 毛細血管の強化、血圧を下げる、糖尿病を予防する
クロロゲン酸 じゃがいもやさつまいもの皮、コーヒーなど 細胞の突然変異を防ぎ、発がん物質ニトロソアミンの発生も抑制する
イソフラボン 大豆、大豆製品 骨粗しょう症を予防する、更年期の不調を予防・改善する

このほか、トマト特有のポリフェノール「ナリンゲニンカルコン」や、甜茶に含まれる「甜茶ポリフェノール」のように、アレルギー症状を引き起こす物質・ヒスタミンなどを抑える成分もあります。また、「ミントポリフェノール」も、同じようにアレルギー原因物質を抑えるはたらきがあるとされています。

ポリフェノールを効果的に摂るコツ

このように、ポリフェノールは体にいいものですが、摂り方にはちょっとしたコツがあります。

まず知っておきたいのは、ポリフェノールの抗酸化力のピークは2~3時間であるということ。一方、私たちの体の中では活性酸素が24時間発生しています。したがって、例えば夕食のときに赤ワインをガブ飲みするとかではなく、ポリフェノールを含むいろいろな食品を、3度の食事や間食のときにこまめに摂るほうがずっと効果的です。

また、ポリフェノールが多いのは「皮」の部分です。とくに、ぶどうなどの果物の皮、ナスの皮などにはポリフェノールが豊富なので、なるべく皮ごと食べるようにしましょう。さらに言えば、ゴボウなどを水につけてアク抜きすると水が茶色になりますが、この茶色の成分もポリフェノールです。抗酸化物質をより多く摂取するためには、アク抜きはしないほうがいいようです。

1日1回まとめて大量に、ではなく、少しずつコツコツ補給するのが◎!